
ハトヤ観光(京都市、岩井一路社長)はJR京都駅に近い老舗旅館、ハトヤ瑞鳳閣をリニューアルし、5月2日に「京湯元 ハトヤ瑞鳳閣」としてオープンする=写真はイメージ。投資額は約30億円。「天然温泉大浴場を備えた和のホテルになる」と岩井社長。
ハトヤ瑞鳳閣は1950年の建設で、老朽化が進んでいた。地上5階、地下1階建てで、延べ床面積は約4800平方メートル。新施設は8階建てとし、客室数も102室と倍増する。延べ床面積も8300平方メートルと拡大。
新施設は「京都駅前初の温泉」(岩井社長)となり、源泉名は「京都温泉」とした。泉温は32.6度、湧出量は毎分約100リットル。天然温泉大浴場(8階)のほか、特別室3室に半露天風呂の温泉浴室を設ける。また、屋上には大文字送り火鑑賞も楽しめる多目的スペースを設ける。
客室はツインルームが中心で、ベッドの部屋にも畳を敷くなどして和の趣を演出する。基本的にビジネス客はとらず、観光で訪れるアッパーミドル(中流階級上位層)をメーンターゲットにするとともに、教育旅行も受け入れる。
建物の変形を小さく抑える耐震構造を採用、「鉄骨と鉄筋コンクリートの最適な組み合わせにより高い耐震性能を確保した」という。太陽光発電の導入や自然採光・通風も取り入れるなど、環境への配慮も随所に凝らしている。
館内には画家の木村英輝氏や和紙デザイナーの堀木エリ子氏らの作品が大浴場壁面やフロントカウンターなどに使われており、芸術性も高めている。
