ニューツーリズム旅行商品、資源の魅力まだ生かせず KNT調査で明らかに


 全国的にニューツーリズムへの関心が高まっているが、多くの自治体や観光協会が高い関心を持っている一方で、その半数以上が観光資源の魅力を十分に生かした商品づくりができていないと感じていることがこのほどKNTの調べで分かった。ノウハウや人材の不足を課題とする地域も多く、高まる機運を生かすためにはこれら課題解決のための効果的な方策が求められそうだ。 アンケートはKNT旅行事業創発本部国内旅行部の地域振興担当が昨年9〜10月に約1カ月間実施。メールで1520件に協力を依頼し557の自治体や観光関連団体から回答を得た。

 回答した自治体などのうち現在ニューツーリズム商品に取り組んでいるのは60.5%。このうちもっとも多い「グリーンツーリズム」商品には37.7%が着手しているとした。その一方でニューツーリズムに取り組んでいないという地域も39.5%あった。

 高い関心と取り組みの一方で、ニューツーリズム旅行商品の課題点については、58.2%が「観光資源の魅力を生かしきれない」と指摘。「ノウハウがない」(40.9%)、「人材がいない」(35.0%)なども高い回答率で、企画、販売、運営を一貫して行うことの難しさを多くの地域が感じていることが分かる。また昨年話題となった第3種旅行業者資格に関しても取得済みもしくは取得予定は9.5%にとどまり、55.1%は取得を予定していないと回答。資格の浸透と活用までにはまだ時間がかかりそうだ。

 地域振興に生かしている地域資源は自然景観が78.8%でトップ。以下、文化行事(71.6%)、歴史的建造物(69.9%)と続く。今後生かしたい資源としては自然景観が48.8%、歴史的建造物が38.6%、特産品が34.4%。地域の持つ自然景観を第一の観光資源と考える地域が多い。

 KNT・国内旅行部の福井善朗課長は調査について「予想以上に回答があり、各地域がニューツーリズムに高い関心を持っていることが分かった」と述べた上で、「どういった観光資源が期待され、またどういう悩みを受け入れ側が持っているのか、生の声を聞けたことは有意義。地域振興のサポートをしていく中で生かしたい」と話す。

 
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