北海道を舞台に撮影され、中国で大ヒットした中国映画「非誠勿擾(フェイチゥンウーラオ)」の日本国内での配給権を道内に本社を持つ企業が取得した。取得したのは、家具・インテリア用品の製造販売大手のニトリ(本社・札幌市)の子会社ニトリパブリック(同)。来年2月から道内各地の映画館で上映される。この映画を契機に北海道には多くの中国人が訪れるようになっており、日本での映画公開が北海道の訪日観光の機運の盛り上がりにつながりそうだ。
邦題名は「狙った恋の落とし方。」となる。北京に住む主人公の中国人男性が投資で大金を手に入れ結婚相手を探すというラブコメディー。原題の「非誠勿擾」は日本語で「冷やかしお断り」の意味。中国では昨年末の公開以来、1億人以上が観たという大ヒット。中国映画史上最高の興行収入約54億円を記録した。
映画では、主人公がめぐり合った中国人女性と北海道に出かけ、知床半島や阿寒湖など道東の美しい自然の中を旅する。映画後半のクライマックスシーンを盛り上げた道東の美しい風景などが評判となり、中国に「北海道ブーム」を起こしている。道東を訪れる中国人観光客は急増し、ロケ地の1つである阿寒湖温泉(釧路市)では、今年1〜9月の中国人宿泊者数が昨年同期の3倍以上に増えた。
このほど配給取得を記者発表したニトリの似鳥昭雄社長は、「映画に出てくる雄大で美しい自然を全国にPRし、北海道の観光振興につなげていきたい」と述べ、全国公開を目指していることを明らかにした。
記者発表に駆けつけた高橋はるみ北海道知事も、「映画を通じて、中国の方々の心を理解していただける。北海道を元気にという趣旨に感謝する」とあいさつし、国内での上映に大きな期待を寄せていた。
似鳥社長(写真左)と高橋知事