日本秘湯を守る会(佐藤好億名誉会長、星雅彦会長)は12月19日、第44回定時社員総会を静岡県・熱海温泉の大観荘で開催した。総会には178人の社員から89人が出席。全社員によるスタンプ帳招待券の全日程での参加など19年度事業計画案や18年度の事業の報告、収支予算案の承認などが行われた。
冒頭、星会長は「過去には他の旅行会社でも同じような会があったが、一つたりとも残っていない。会には親戚のような雰囲気があるほか、皆が同じステージで言い合える雰囲気、連帯感がある。今後は、時代を生き抜くための知恵を出し合い前に進むとともに、22世紀までつなげる人材を育てていきたい」とあいさつ。佐藤名誉会長は「人口が減少し、求人対策が追い付かない中、事業承継は問題となっている。会を含め、未来にどうつなげるか、何を残すかを早急に対策しなければならない」と語った。
18年度の事業報告では、5月11日に東京都有楽町朝日スクエアで開催した朝日旅行との温泉文化を一般客に伝える共催イベント(約220人参加)の実施や、台湾で6万部以上の販売がされている文化探求雑誌「秋刀魚」やフリーペーパー「ゆ~ゆ」への秘湯記事の掲載などについて報告した。
19年度の事業計画では、(1)スタンプ事業の推進(2)出版物「日本の秘湯」の第21版の作成進行(3)公式ウェブ予約サイトでの販売促進(4)各種研修会の開催(5)朝日旅行との新商品の展開(6)イベントの開催―などを発表し、議論した。
スタンプ事業では、19年4月から土曜、休前日、特定日を含めた年間365日の受け入れを全社員が参加してスタートする。販売促進では、公式ウェブサイトに宿が最低1プラン1室の継続掲載を行い、るるぶのサイトにも反映し、複数チャネルを使用して販売を拡大する。研修は、女将、次世代、半年営業の宿、山の宿などを対象とした勉強会を開催する。朝日旅行との連携では、「伝承者シリーズ」「女性限定秘湯めぐり」「秘湯に泊まって“にほんの里100選”を訪ねる」ツアーが催行率100%となっており、さらに商品群の開発、販売拡大を進める。
社員からは、割引クーポンの使用エリア拡大、ウェブサイトの刷新、招待客の当日キャンセルの対策、ダイナミックパッケージの販売、海外旅行博での広報活動の拡大などの意見が述べられた。星会長は「ウェブ販売が拡大している。ブランドを生かして稼ぐための対応をしていく」と答えた。
あいさつする星会長