Geo Spark Technologies(ジオスパークテクノロジーズ、東京都港区)は、温泉地などの観光地にスケール除去技術「BLUESPARK(ブルースパーク」の活用を提唱している。
BLUESPARKは、カナダのBlue Spark Energy(ブルースパークエナジー)が開発した装置。通常の電源コンセントにプラグを差し込むだけで、パルスパワー(蓄積したエネルギーを短時間で放出すること)による衝撃波を発生させて、井戸の内部および、周辺部のスケール(詰まり)を除去する技術を採用している。
「スプーン1杯分のオレンジジュースに含まれるカロリー程度のエネルギーで、井戸を損なう心配もなく、化学物質も使用していないため安全」と社長の片瀬裕文氏。
従来のドリル掘削による河川や港湾などで水底の土砂やその他を掘りあげる浚渫(しゅんせつ)作業は内面に堆積したスケールをそぎ落とすが、井戸の配管などに負担が生じる。加えて、1カ月以上もの作業日数が必要で、その間の稼働ができなくなるなど、多額のコストと人員が必要などのデメリットが挙げられる。
一方、BLUESPARKは掘削用にやぐらを設置することなく、限られた人員で、検層車やクレーン車といった必要最小限の設備のみを使用して、直径70ミリのデバイスの上げ下げを行って施工する。最短で1日から数日という短期間で効率的に作業を完結できるため、井戸を休止させる期間が短くなるなど経済的なメリットが大きくなる。さらに、薬液注入とは異なり、あらゆる種類のスケールの除去にも対応した点が特徴。事前準備のための浚渫を行うことなく、地層内での井戸の周囲360度方向の作業に対応する。
BLUESPARKは、石油開発において、「メジャー企業が安全性や有効性を確認して使っている技術であり、世界では600本以上の実績があり、地熱発電にも応用できる」と片瀬氏。「石油開発や金属鉱業の最新技術を応用し、さらに新しい技術開発を進めて、地熱分野のイノベーションに取り組んでいきたい」と展望を話す。
この件についての問い合わせ先は、Geo Spark Technologiesホームページ(https://geospark.co.jp/contact/)。