ジョーンズ ラング ラサール、2022年上半期のアジア太平洋地域ホテル投資額の調査結果を発表

  • 2022年7月31日

 ジョーンズ ラング ラサールは22日、2022年上半期のアジア太平洋地域ホテル投資額の調査結果を発表した。

総合不動産サービス大手JLL(本社: 米国シカゴ、CEO & プレジデント:クリスチャン・ウルブリック、NYSE: JLL)の調査によると、アジア太平洋地域における2022年上半期のホテル投資額は、前年同期比33%増の68億米ドル、2019年比で11.9%増となり、同地域へのホテル投資額はコロナ前の水準を超えました。

2022年上半期のホテル投資件数は前年同期比20.2%減の75件、同2019年比で33%減となりました。一方、2022年上半期の取引客室数は前年同期比29.9%増の19,822室、同2019年比で9.4%増となりました。取引案件の増加は、潤沢な資金を有する機関投資家がより効率的な投資先を模索する中で、ポートフォリオ取引(複数物件の取引)が急増したことが影響しています。しかしながら、2022年下半期はマクロ経済や地政学的な逆風が強まれば、現在のモメンタムが停滞する可能性もあるとみています。

JLL日本 執行役員 ホテルズ&ホスピタリティ事業部長 辻川 高寛は、次のように述べています。
「パンデミックにより企業やレジャーの宿泊需要は一旦減退しましたが、アジア太平洋地域におけるホスピタリティセクターの回復力、出入国の再開は2022年のホテル投資活動を加速させ、旅行需要は近々コロナ前の水準に戻るとみられています。結果として、2年間小康状態だった投資基調は収束し、ゲートウェイ市場やリゾート地への投下資金額は記録的な水準となりました。日本においても、宿泊需要は明確な回復基調にあり、運営状況のモメンタムの改善が投資活動の活発化を更に促進しています。アジア太平洋地域における日本の投資デスティネーションの位置付けも改めて高まっており、2022年下半期もこの回復トレンドが継続することが見込まれます」

国境が開かれ、多くの市場が国内需要のみに頼る状況からインバウンドレジャーや企業ビジネス需要に広がりを見せることが明確となり、ホテル投資活動はアジア太平洋地域の様々な市場へと拡大しました。しかしながら、現在の好調な旅行市場と長期的な経済の見通しが交錯し、ホテル不動産価格に関する買い手と売り手の期待値にギャップが生じているケースもみられます。

2022年上半期の投資額をみると、日本(18億米ドル)、韓国(17億米ドル)、香港を含む中国(16億米ドル)が最も多くなりました。シンガポール(8億9,970万米ドル)、モルディブ(2億550万米ドル)、インドネシア(1億5,960万米ドル)は引き続き堅固な回復をみせています。オーストラリア(1億4,550万米ドル)、タイ(3,770万米ドル)の投資活動は軟調であったものの、多くの大型取引が進行中であり、下半期は回復基調になるとみられます。

JLLホテルズ&ホスピタリティグループ アジアパシフィック CEO マイク バチェラーは次のように述べています。
「旅行がより持続的に回復することで、競争環境が激しさを増し多くの投資家は地域全体の投資適格資産への投資を成功させるという課題により直面することが見込まれています。引き続きマクロ的、地政学的な逆風による投資活動への影響や、投資案件の希少性が続くものの、アジア太平洋地域のホテル投資額は100億米ドルを超えると確信しています」

国別のハイライトは以下の通りです。

  • 日本:市場は堅固な回復を見せ、前年同期比91%増となりました。直近の円安、国内外の旺盛な観光需要により、投資家による日本のホテル投資は引き続き堅調に推移しています。世界的な金利上昇を背景に、日本のデットファイナンス(資金調達)環境は投資家にとって魅力的であり、日本の投資額は下半期も堅調に推移すると予測しています。
  • オーストラリア:投資額は低い水準にとどまり、前年同期比66%減となりました。約7億米ドルの未完了取引があり、これが年内の投資額を牽引するでしょう。また、投資家は、flight-to-quality(質への逃避)戦略のもとオーストラリアやニュージーランドのホテル投資や、積極的なアセットマネジメントまたは用途転換によるリターンが期待できる中級クラスの資産投資に意欲的です。
  • 中国:多くの都市で厳しいロックダウン措置がとられ、多くのホテル投資が2022年第4四半期や2023年第1四半期にずれ込むとみられ、投資額は前年同期比43.8%減となりました。中国の「スリー・レッドライン(中国の不動産会社の債務規制)」や「ゼロコロナ」政策の複合的な影響により、ホテル資産の価格がさらに低下すると予想され、2022年通年の投資額は約20億米ドルと予測しています。
  • シンガポール:アジアで最初に渡航制限が解除された国のひとつであるシンガポールは最も早い回復をみせ、コロナ前の水準を超える約9億米ドルの投資額となりました。中規模物件への投資が最も活発で、投資家は、物件を共同住宅に転換してパフォーマンスを高めています。
  • タイ:売り手に対する売却圧力が高まる中、より多くのホテル案件が市場でみられています。買い手は積極的に投資機会を探していますが、オポチュニスティックなプライシングを行なっており、物件に対するオファーはより保守的になっています。現在タイのホテル市場には、多くのプライベートエクイティファンドやファミリーオフィスが進出しており、渡航制限の緩和に伴い国外からの関心も高まっているとみています。2022年通年の投資額は約3億米ドル近くに達すると予測しています。
  • モルディブ:アジアからの需要が顕著に減少したにもかかわらず、2021年投資活動は2019年を上回る結果となり、世界のゲートウェイリゾートとして市場の回復力を示しました。そのモメンタムは2022年も継続し、その結果、アジア、中東、ヨーロッパの投資家からの関心を引き付けています。全体として、Wモルディブやシェラトン・フルムーン・リゾートなどの注目度の高い案件や、下半期に向けて進行中の案件もあり、通年の投資額も増加すると予測しています。

 

 
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