シートリップグループの「途家」、中国・西安で民泊開発 「成功事例 日本にも」


左から、途家CBO・李珍妮氏、西安市旅行発展委員会副主任・康立峰氏、西安市副市長・徐明非氏、シートリップグループ政府資源協力部CEO・王韋氏

 中国・西安市の徐明非副市長と中国最大のオンライン旅行会社、シートリップ(Ctrip)グループの民泊仲介サイト「途家」(トゥージャー)の李珍妮CBO(最高業務責任者)は1日、東京都内で観光経済新聞社など観光関係メディアの取材に応じた。徐副市長は「日本は重要なマーケット」と、日本からの多くの送客を期待。李CEOは中国・西安市政府との提携による同市での民泊開発の実績と今後の日本での展開を語り、「西安での成功事例を日本の自治体にも広げたい」と強調した。

 徐副市長は「西安と日本は古くから文化交流が盛ん。西安市民は日本人を歓迎している」とした上で、日本の旅行会社に向けて、「西安は伝統だけでなく、モダンなものもある。歴史と近代、両方の魅力を感じられる。日本人に関心が持たれるような旅行商品を日本の旅行会社とともに作りたい」と述べた。

 一方、途家は西安市政府と業務提携し、対外的な情報発信や、同市の歴史と文化を感じられる特徴ある民泊(民宿、旅館を含む)の開発を促進している。同市の民泊物件数は提携が始まった2017年から急速に増え、18年11月時点で前年比5倍の約3万軒。李CBOは「今後2年間でさらに3万軒追加したい」と述べた。

 途家は今年、西安市と共同で「民宿(泊)大学」を設立し、民泊を運営するオーナーに向けた運営に関する教育を行う。市が指定した上場企業との民泊施設建設や、中国初の「民宿(泊)投資ファンド」を市とともに立ち上げる計画もある。

 西安は古代シルクロードの起点で、兵馬俑など著名な観光地を多く抱える。日本からの観光客も多く、李CBOは「多くの日本人に西安の民泊に泊まってほしい。ホテルでは体験できない民泊ならではの体験ができる。外国人向けの民泊は英語対応もでき、途家などシートリップグループで予約をすれば24時間対応のコールセンターを利用できる」と、その利便性も強調した。

   ◇   ◇

 途家は日本の自治体とも観光連携に関する協定を締結している。18年10月に新潟県魚沼市、同12月に滋賀県大津市と相次いで締結。中国人観光客を呼ぶためのアドバイスや、中国人ブロガーや旅行メディアを通した2市の情報発信に取り組んでいる。今後は日中の文化交流に関するキャンペーンを行う計画だ。

 魚沼、大津両市に続く提携の可能性について李CEOは、「数より質を重視している。2市とは契約して終わりではなく、共にいい取り組みを継続して行っていきたい」と述べる一方、「西安での成功事例を日本の自治体に広げたい。中国人に受け入れられるパートナーを慎重に選定しているところだ」と述べた。


左から、途家CBO・李珍妮氏、西安市旅行発展委員会副主任・康立峰氏、西安市副市長・徐明非氏、シートリップグループ政府資源協力部CEO・王韋氏


途家CBO・李珍妮氏

 
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