
現行統計で最低に
2021年の日本人による国内旅行消費額は9兆1215億円で、コロナ禍前の19年比で58.4%減、20年比で8.5%減となった。観光庁が16日に公表した旅行・観光消費動向調査の速報値。現行の調査手法となった10年以降で最低値を記録した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて宿泊、日帰りともに旅行者数が大幅に減少。消費額は20年、21年と2年連続でコロナ以前の半分以下の水準にとどまった。
旅行・観光消費動向調査は、サービスや商品を購入する消費者側に立った統計。国内旅行は観光、帰省、業務などの目的を問わない。国内居住者に調査票を送付し、旅行回数や消費額を把握、全体を推計している。コロナ禍に伴って国や都道府県、市町村が実施する旅行費用割引などの支援金額は除外して集計されている。
日本人の国内旅行消費額は、消費税率の引き上げが影響した14年に18兆4204億円に落ち込んだものの、その後は20兆円を超える水準で推移。ゴールデンウイーク10連休や支出の上昇が影響した19年には21兆9312億円に達し、10年以降で最高値を記録したが、コロナ禍で旅行を取り巻く環境が一変した。
21年の国内旅行消費額の内訳は、宿泊旅行が6兆9148億円で19年比59.7%減、20年比11.0%減、日帰り旅行が2兆2067億円で19年比53.8%減、20年比0.2%増だった。
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