エクスペディア グループ、訪日外国人旅行者の最新動向データの分析結果を発表


 エクスペディア グループは30日、訪日外国人旅行者の最新動向データの分析結果を発表した。

• 訪日外国人旅行者の需要が高いトップ10の国と地域において、旅行者数が前年と比べ2 桁増を記録。中でも、米国、英国、カナダからの伸びが顕著

• 訪日外国人旅行者の多様化により、宿泊施設は中国人旅行者への依存度を軽減し、リスク分散を図ることが可能に

•インドなど潜在的需要の高いアジア諸国・地域からの訪日旅行者が増加

 世界75カ国以上、35言語でExpedia.com®や Hotels.com®など200以上のオンラインサイトを展開する世界最大級のオンライン旅行会社、エクスペディア グループは、2016年7月1日から2017 年 6 月 30 日までの 12 カ月間のデータを基に、訪日外国人旅行者の動向データについて、同社が展開するExpedia.com®、Hotels.com®、AirAsiaGo™、Travelocity.com®、Orbitz.com® を対象に分析を実施しました。

 エクスペディア グループの分析によると、訪日外国人旅行者の需要が高いトップ10の 国と地域[1]では、ほぼすべてにおいて前年に比べ 10 ~ 50% 増と順調な伸びを記録し、日本国内の契約宿泊施設の好調を示しています。訪日需要の伸び率が最も高かった国はカナダで 45% 増、次いで韓国と米国が 40% 増で、香港 35% 増、シンガポール30% 増、台湾 25% 増 の順。日本政府観光局 (JNTO) が公表している訪日外国人旅行者数の統計データによると中国が 1 位ですが、エクスペディア グループの成約ベースのデータでは 10 位という結果となりました。エクスペディア グループの旅行サイトは世界の国と地域で高い認知度とともに運営されているため、契約宿泊施設は中国人旅行者に依存することなく、宿泊客の多様化を図ることが可能です。

 トップ10 の国と地域ほぼすべてにおいて、訪日外国人旅行者の需要が最も高かった季節は春という結果になり、全旅行者数のうち 10% 以上が4 月の桜の時期に来日しています。2 番目に高かった月は 5 月、次いで3 月・6 月で、いずれも全体の 10% 弱を占めています。利用した宿泊施設のカテゴリーにおいては、3 つ星が 70% 弱、4 つ星が 20% という結果を示しました。

 エクスペディアホールディングス株式会社 代表取締役 ロッジング パートナー サービス日本・ミクロネシア地区統括本部長を務めるマイケル ダイクスは 「エクスペディア グループは旅行業界をけん引するテクノロジー企業であり、月間訪問者数が 6 億[2]を超える弊社のウェブサイトは75 カ国以上の市場から収集したさまざまな旅行者の膨大なデータを常に分析しています。旅行者の動向を掘り下げることで、ターゲットとすべき旅行者層、需要を促進できる時期、効果的なプロモーションを把握し、弊社のパートナー宿泊施設様の収益拡大のサポートを可能にしています」と述べています。

 国別の動向については、以下をご覧ください。各国の特徴を理解することで、契約宿泊施設はより具体的な戦略を立て、エクスペディア グループが持つ世界規模の販売網を活用し、収入の増加を図ることが可能となります。

■長距離市場 – 米国、英国、カナダ

 米国、英国、カナダからの訪日外国人旅行者は滞在期間が長く、平均客室単価も高くなる傾向があるため、宿泊施設にとって最も効率よく利益を上げることができる旅行者と言えます。これらの国からの需要が最も高かったのは4月と5月で、都道府県別では東京が最も高く、各地域の半数以上が東京を訪れています。次に京都と大阪が続きいずれも約 10% を占めていますが、千葉や神奈川なども新たな滞在先となりつつあります。

米国

• 訪日需要が高い米国は、前年に比べ40% 増を示し、平均客室単価はトップ 10の 国と地域の中で最も高く、最も効率よく利益を上げることのできる長距離市場です。

• 日本人旅行者と比較すると、米国からの旅行者が支払った宿泊料金は 40% 以上高く、滞在日数は約 2 倍、リードタイム (予約日からチェックイン日までの日数) も約 2 倍の 40 日となりました。

• Expedia®、Travelocity®、Orbitz®をはじめとした主要な旅行サイトでは、ホテルなどの宿泊施設、航空券などを自由に組み合わせることができるダイナミックパッケージを提供しており、米国における訪日旅行者のパッケージ需要は全体の 5 分の 1 を占める結果となりました。旅行者はダイナミックパッケージを利用することで、宿泊施設と航空券を簡単に予約できるだけでなく、複数の商品を自在に組み合わせることができるので、時間と費用を節約することが可能です。

カナダ

• 訪日需要のトップ10 の国と地域の中で最も需要が増えたカナダは、約 45% 増を示しました。

• エクスペディア メディア ソリューションズ(Expedia Media Solutions)による、8 カ国の旅行動機、好み、消費動向を比較した最新の調査[3]では、カナダからの旅行者はお得なプランやプロモーションを利用して旅行を予約する傾向が強いという結果が出ています。

• エクスペディア グループのウェブサイトで予約したカナダからの訪日需要の半数以上 (55%) がお得なプランやプロモーションを利用しており、前年に比べ 85% 増の大幅な伸びを示しました。

• カナダからの旅行者を増やすには、例えば宿泊料金のほかに、宿泊に付随するサービスとして館内スパ利用料の割引、朝食を無料にするなど、エクスペディア グループのサイトで同時にオファーすることも有効な手段といえます。

• 日本人旅行者と比較すると、カナダからの旅行者が支払った宿泊料金は 20% 以上高く、リードタイムは 2 倍を超える 50 日、滞在日数も約 2 倍でした。

英国

• 英国の訪日旅行の需要は前年と比べ約 15% 増となりました。英国からの旅行者は早めに予約する傾向が強く、リードタイムは平均 55 日でした。

• 英国は、訪日需要トップ10の国と地域の中で最もキャンセル率が低い国でした。

• 英国からの旅行者は、米国やカナダからの旅行者の訪問がまだ少ない、広島を訪問する傾向にあるという興味深い結果が出ました。


■近距離市場(アジア) – 香港、韓国、シンガポール

 LCC (格安航空会社) の増便と中流層の拡大によりアジア圏内の旅行者数が増加し、訪日旅行者数も増加しています。香港、韓国、シンガポール、台湾からの訪日旅行の需要は前年と比べ約 20 ~ 40% 増の大幅な伸びを示しました。これら 4 地域の訪日旅行の需要は、トップ10の国と地域における約 3 分の 2 を占めています。長距離路線を利用する旅行者と異なり、アジア人旅行者が訪れた都道府県は幅広く、東京が占める割合は全体の 3 分の 1 でした。また、インド人に対するビザの発給要件が緩和されたため、インドからの訪日需要も増加し、前年に比べ 55% 増を示しました。

香港

• エクスペディア グループで成立した予約データによると、訪日需要が最も多かったのは香港でした。

• 香港にとって日本は近距離の旅行先にもかかわらず、英国やカナダからの旅行者と同様にリードタイムが長く平均 55 日でした。香港からの旅行者が支払った宿泊料金の平均はカナダからの旅行者とほぼ同額であったことから、香港からの旅行者は長距離市場の旅行者と同じく、利益の高い旅行者であると言えます。香港からの旅行者はレジャー目的での旅行頻度が高く、訪日旅行のリピーター率も高いため、宿泊施設は質の高いサービスを提供することにより、香港からの旅行者の取り込みにつなげることができます。

• 春以外に香港からの訪日需要が高かった月は 1 月と 12 月で、地域別にみると東京 (全体の 30%)、大阪 (全体の 20%)、沖縄 (全体の約 10%) の順となりました。

韓国

• 韓国は前年に比べ 訪日需要が40% 増を示し、平均客室単価は約 3% 増となり、好調に拡大しています。

• 他国の旅行者と異なり、韓国からの旅行者の大多数は 1 月に来日しており、続いて僅差で 5 月でした。

• 韓国と日本は近いことから、リードタイムは最も短くなる傾向があり、30 日以下となりました。韓国からのニーズに対しては、宿泊施設は宿泊料金を下げずに直前予約を増加させることができるでしょう。

• 旅行先としては、大阪が僅差で東京を抜いて1 位となり、続く沖縄と福岡は、いずれも全体の 15% を占めています。

シンガポール

• 米国の次に平均客室単価が高いシンガポールは、高い利益を生み出す市場ともいえます。

• 学校が冬休みになる12月はシンガポールからの訪日需要が最も高く、12 月だけで2 番目に高かった 4 月の約 2 倍となりました。

• 日本人旅行者と比較して、シンガポールからの旅行者の滞在日数は 2 倍で、リードタイムは約 3 倍の 56 日でした。

• 東京・大阪と並び、北海道への旅行者も多く、いずれも約 10% を占めています。


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