
エア系2社の今年上半期の商品が出そろった。4月からジャルパックと統合し、商品ブランドも「JALパック」となるジャルツアーズは、路線縮小の影響などもあり販売目標は前年比減となるが、新しいJALパックのブランドネームの浸透と共に付加価値ある商品の充実で消費者の支持獲得を狙う。一方のANAセールスはウェブ販売の拡充路線を推進。フリープラン型の商品の強化と併せてウェブサイトに掲載する現地情報やクーポンの充実により、顧客獲得、販売拡大を図る。
4月からの新生JALパックは、「いい旅、あたらしい旅」がブランドコンセプト。パンフレットの体裁も、国内、海外で統一。4月からはホームページも統合する。
国内旅行商品ブランドは、第1ブランド「JALパック」、値ごろ感ある旅行商品「JALパックふらり」、エアとホテルを組み合わせた組み立て型の旅行商品「JALパックマイステイ」の3ブランド展開とする。安心と品質にこだわるとともに、季節の花の鑑賞をテーマとした「花旅」などを新たに提案。「JALパックという知名度あるブランドネームに国内旅行のきめ細やかなサービスをプラスして、さらに品質を高めていきたい」(庄司洋介ジャルツアーズ商品企画部長)。
10周年を迎える東京ディズニーシーを1日早く体験できるツアーなどの新生JALパックを記念した特別ツアーも設定し、新ブランドの浸透も図る。国内、海外双方で「夢のある旅」をテーマとした旅の企画コンテストやプレゼントキャンペーンなども展開する。
17日会見した大西誠ジャルツアーズ社長兼ジャルパック社長は、「これまで以上の信頼と安心を提供し、JALブランドへの期待にこたえたい」と力強く述べた。
上期の販売目標は、国内が前年同期比11%減の105万3千人、海外は14万1千人。方面別では北海道20万7千人、沖縄22万人、関東28万人、その他(東北、関西、四国、九州)34万6千人。通年での販売目標人数は218万人。
ANAセールスは、2011年度のウェブ販売での国内、海外旅行の取り扱い目標を2010年度の2倍となる600億円に設定した。パンフレットには掲載しきれないクチコミ情報や現地情報のウェブサイト上での提供に注力。ANAマイレージクラブの会員制ウェブサイト「旅達」の会員に向け、専用のテーマ型商品を40コース程度ラインアップしてサービスを充実させることで顧客化を進め、旅行参加会員数を23万人から50万人に引き上げる。また着地型の観光素材を開拓し、ダイナミックパッケージ商品「旅作」やフリープラン型商品への組み込みやオプショナルツアーとしての提供を進めて商品の多様化を図り、他社商品との差別化を進める。
18日の商品発表会であいさつした浅川修ANAセールス社長は、「今年は羽田空港の段階的増枠などがあり、ビジネスチャンスとなる年。『差別化とブランド強化』を進めたい」と方針を示した。ウェブ販売については「ウェブ専用商品の拡大と併せ、パンフレット掲載商品のウェブでの販売比率を高められるよう、ウェブに特化した形で投資を進める」と語った。
ANAセールスの2011年度の国内旅行商品(ANAスカイホリデー、旅作)の販売目標人数は、前年比5%増の242万4千人。海外旅行商品が同20%増の12万1千人、訪日旅行が同34%増の5万2千人。国内の方面別目標人数は、北海道が同7%増の39万3千人、九州が同5%増の27万9千人、沖縄が同4%増の42万6千人、その他本州が同3%増の111万1千人、あなたび(宿泊券)が同1%増の21万5千人。海外旅行商品は、同20%増の12万1千人。訪日旅行商品は同34%増の5万2千人。方面別目標は、香港が同14%減の1万人、台湾が同24%増の2万6千人、中国が同142%増の1万2千人、その他が同135%増の4千人。
