エアビーアンドビー、観光健全化部門を設立


 エアビーアンドビーは18日、観光健全化部門を設立したと発表した。

世界最大手のコミュニティ主導型マーケットプレイスのAirbnb(本社:米国カリフォルニア州サンフランシスコ、日本語名:エアビーアンドビー、以下:Airbnb)は18日、世界中の国や都市で地元に密着した地方ならではの旅を推進し、サスティナブルな観光産業を支援していくための取組みとして、観光健全化部門を立ち上げました。新部門の設立と合わせて、Airbnbではホスト、ゲスト及び都市に健全なツーリズムが恩恵をもたらしていることを示す新たなデータを発表しました。また、世界各国の旅行業界のリーダーで構成される観光諮問委員会を創設することも発表しました。

 

10年前にAirbnbが創業して以来、旅行者は典型的な観光地ではない新たな目的地を発見してその周辺を巡るようになり、世界中で地元の中小企業や住民に観光産業による経済効果をもたらすようになりました。Airbnbはパートナーシップやさまざまなプログラム、イベントを通じて築いてきたこの仕事をさらに発展させて地域経済の活性化に取り組み、まだあまり知られていない場所への旅行を推進すると同時に観光健全化部門による環境に優しい旅行習慣をサポートして行きます。

 

Airbnbのグローバル政策&広報担当最高責任者クリス・レヘイン(Chris Lehane)は、次のように述べています。「旅行・観光業界は最も急速に発展している産業の1つであり、できるだけ多くの人たちが恩恵を受けられるようにすることが重要です。しかし現状では必ずしもすべての地域でツーリズムが平等に恩恵を生み出しているわけではありません。誰もが旅行の恩恵を得られるようにするために、Airbnbではこれまで何十年にも亘って各都市の悩みの種になってきた、旅行に対する健全な選択肢を提供します。Airbnbは地方ならではの旅をサポートし、多様ですべての人々に平等かつサスティナブルな観光産業を支援します。Airbnbのグローバルなホストコミュニティ、最も必要とする場所で観光を振興するAirbnbの能力、そして本業とするホスティングによる持続的な恩恵を組み合わせることで有意義な収益を得ることを通じて、Airbnbは地域、地元住民、旅行者の誰にとっても最も良い旅の形を提供しているのです」

 

観光健全化部門の新設

Airbnbは観光業界の健全化を促進するために、すでにいくつもの取り組みをスタートさせています。昨年、共同創業者兼CPOのジョー・ゲビア(Joe Gebbia)は、高齢化や少子化、若者の都会への流出によって人口減少に悩まされている地域にランドマーク的な宿泊施設として「吉野杉の家」をオープンさせました。以来、この家には世界32カ国から訪れた何百人ものゲストが宿泊し、ホストやゲストの地元での消費がこの小さな町の70人分の雇用を支えるようになりました。観光健全化部門では今後も引き続き、イタリアの小さな村から中国の田舎の町まで、

世界中で地方の再生に重点的に取り組み、より多くの旅行客を呼び込みたいと考える地域に、それぞれの事情に配慮しながら持続可能な方法で観光による経済的恩恵をもたらせるよう支援を続けて行きます。

 

健全な旅行産業を推進するためのもう1つのプロジェクトとして、Airbnbは南アフリカのケープタウン大学のビジネススクールと連携し、2018年9月に「アフリカトラベルサミット」を開催します。3日間に亘って行われるこのサミットには、アフリカ全土から最も革新的な考え方を持つ人たちが集結し、テクノロジーをどのように活用すればより持続可能ですべての人々に平等な観光産業を形成して、サービスが行き届かないアフリカの地域社会に力を与えることができるのかについて話し合います。このサミットでは、リソースが不足してもこうした地域をサポートすることのできるレジリエントな観光産業の構築方法についてもフォーカスします。

 

また、Airbnbは大規模なイベントを開催するために、持続可能な方法で宿泊受け皿の規模を拡大する上でもコミュニティの役に立っています。2016年のリオ・デジャネイロオリンピック後に世界経済フォーラムが実施した調査によれば、オリンピック期間中、Airbnbの宿泊者数が急増し、これらの観客すべてに行き渡るだけの客室数を提供するためには、新たに257軒のホテルを建設する必要があったという結果が報告されています。直近の例では、韓国で開催された冬季オリンピックの期間中、15,000人のゲストがAirbnbを利用してオリンピックの観戦に訪れており、ホテルの客室7,500室分の収容人数に相当します。競技が開催された地域全体で、ホストが得た収益の合計は230万ドルを超え、宿泊料金として得た金額の97%が国内に留まり、地域住民の手に渡っています。

 

Airbnbが世界中でプラス効果をもたらしていることを示す新たなデータを発表

Airbnbが提供する健全な旅の形は、世界中の都市や国に有意なプラス効果をもたらしています。Airbnbは本日、地方自治体との透明性に対するコミットメントの一環として、利用者数上位300都市、80カ国の2017年のデータを発表し、健全な旅行産業が恩恵をもたらしていることを実証しました。

 

■日本全国

日本全国を訪れた旅行者数 :585万人

出身国数:150カ国以上

■東京都

東京を訪れた旅行者数:180万人

出身国数:150カ国以上

■大阪市

大阪市を訪れた旅行者数:162万人

出身国数:150カ国以上

■京都市

京都市を訪れた旅行者数:67万人

出身国数:150カ国以上

■福岡市

福岡市を訪れた旅行者数:33万人

出身国数:99カ国

日本国内の Airbnb のリスティングを予約したゲスト数を含む総数となります。

 

また、今回、Airbnbが世界各国でどのように健全な観光・旅行産業をサポートしているのかを示す新たなデータも発表しています。

  • 全世界のAirbnbホストの88%が、環境に優しい洗浄剤の使用、リサイクルの利用、ゲストへの公共交通機関の利用推奨、ソーラーパネルの設置など、環境に配慮したホスティングを行っています。
  • Airbnbのゲストの84%が、Airbnbを利用した理由として「暮らすような旅がしたいから」と答えており、66%のゲストが「ホームシェアリングによる環境面のメリット」が選択の際の重要な要素になっていると答えています。
  • Airbnbのゲストの89%がAirbnbを利用した理由として「都市全体を通じてホテルよりも便利な立地にある」ことを挙げており、44%のゲストが滞在先の周辺でお金を使っていました。
  • Airbnbのゲストの53%がAirbnbを利用することで節約したお金を宿泊した都市やその周辺のビジネスでお金を使っていました。

 

Airbnb 観光諮問委員会の設立

旅行業界が成長していく上で、健全で持続可能な観光産業を促進していくことは特に重要です。世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)によれば、旅行業界は全世界で3億1,300万人の雇用を支え、世界のGDPの10%を生み出しています。Airbnbは本来的に健全な旅行方法を提供すると同時に、長期的なビジョンやアクティビティを形成して、旅行によって引き起こされるオーバーツーリズムの解消にAirbnbが確実に貢献できるよう、観光諮問委員会を設立しました。

 

観光諮問委員会には、世界の旅行・観光業界で長年、こうした議論を方向付けてきた思想面や政策面のリーダー達も名を連ねています。

  • David Scowsill:EON Reality 最高経営責任者、WTTC前代表兼CEO
  • Taleb Rifai:国連世界観光機関 前事務総長
  • Rosette Rugamba:Songa Africaおよび Amakoro Lodgeマネージングディレクター、前ルワンダ観光局局長
  • Professor the Hon Bob Carr:元オーストラリア外務大臣、元ニューサウスウェールズ州首相

 

Airbnb 観光諮問委員会のメンバーであるRosette Rugamba氏は次のように述べています。「今後10年間で新興国を訪れる旅行者は、先進国の2倍のペースで伸びていくと予想されています。Airbnbはこうした新興国市場において、観光がもたらす恩恵によってコミュニティに活力を与えることのできるユニークな立場にあり、アフリカトラベルサミットを含めてさまざまなプログラムでAirbnbと協力し、アフリカを始め世界に持続可能な健全な方法でツーリズムを確実に成長させていけるものと期待しています」

 

David Scowsillは次のように述べています。「世界が豊かになり、ますます多くの人が旅行に出かけられるようになっています。2030年には全世界で中流層の人口がさらに10億人増加すると見られており、こうした人たちが新たに旅行によって視野を広げる機会を求めるようになるでしょう。主要なロケーションに観光を集中させることは渋滞や混雑を引き起こし、将来的にそこに住む人たちの生活の質を低下させる恐れを生じさせています。ゲストを新たな場所に連れ出し、地元住民の手により多くのお金が入るようにすることで、Airbnbは先駆者として確かな実績を上げてきました。旅行者を各都市、各国の周りで地理的に分散させることは、この観光地の過密の問題を解消するための重要なステップです。今後エキサイティングな新たな冒険への道を先頭に立って切り拓いていく上で、Airbnbと協力して彼らの取組みを拡大して行くことを楽しみにしています」

 

同じくAirbnb観光諮問委員会のメンバーであるHon Bob Carr氏は次のように述べています。「科学者たちが次第にテクノロジーやツーリズムの恩恵について懐疑的になっている今、どうすればこの両方をどうすれば世界をより良くするための力にできるのかを示す好例がAirbnbです。Airbnbは健全ですべての人々に平等かつサスティナブルなツーリズムの象徴であり、今回、私の経験を活かして、時宜を得たこの有意義な取り組みを支援できることに大いにやりがいを感じています」

 

国連世界観光機関の前事務総長Taleb Rifai氏は次のように述べています。「Airbnbが提供しているようなツーリズムは地元住民の質とゲストの旅行体験や質の両方を高めるものです。Airbnbの観光諮問委員会に加わって、全員と協力してAirbnbが今後も確実に世界中で健全なツーリズムを推進する力となり、世の中を良くするための活動を続けて行けるよう取り組んで行けるものと大いに期待しています。

 

Airbnbのクリス・レヘインは次のように述べています。「Airbnbの観光諮問委員会に旅行業界の第一人者というべきリーダーの方々に加わっていただいたことを非常に嬉しく思っています。メンバーはいずれも、これまで旅行・観光業界をけん引し、業界の健全性を促進するために多大な貢献を果たしてきた人たちであり、オーバーツーリズムの解消についての見識をうかがうとともに、皆さんの持つ豊富な専門知識を活かして世界中で健全なツーリズムを促進し、振興を図っていけるものと楽しみにしています」

以上

 

 

 

観光健全化部門とは。

当社は観光健全化部門を通して、次のような観光を支援するイニシアチブとパートナーシップに取り組んでいきます。

  • 地方:宿泊税の納税をサポートし、300都市80カ国の新しいコンパクトデータを含むデータを共有することで旅行者が訪れている地域社会を支援します。
  • 現地の体験:当社はたくさんのホテルが立ち並ぶいわゆる「観光地」ではなく、実際にそこに暮らしている人とのつながり、より文化的な体験を提供し、地元の企業や住民が観光増加の恩恵を受けられるようにいたします。
  • 多様性:私たちは新しい目標に向けて観光を推進し、普段経験することのない場所と経験をご提供いたします。
  • 包括的:当社は世界的プラットフォームであり、米国外で事業の81%を占めており、世界の新興市場で劇的な成長を遂げているとともに多くの経済波及効果をもたらしています。
  • 持続可能:当社のリスティングは、世界中の空き家を活用できるとともに、大きなイベントが開催された際の周辺のホテルなどの追加建設の必要性を減らします。

 

 

 

 

 

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒