マレーシアの格安航空会社(LCC)、エアアジアは1日、新しいLCC「エアアジア・ジャパン」を設立した。同日、東京都内のホテルで行われた記者会見には、出資者の1人である楽天の三木谷浩史会長兼社長も出席、「訪日外国人観光客2千万人の目標達成にはLCCの役割は重要であり、同時に国内旅行も成長させていくだろう」と述べ、期待した。
新会社の資本金は70億円の予定。株主はエアアジア(出資比率49%)、楽天(同18%)のほか、化粧品のノエビアホールディングスやスポーツ用品のアルペンなど異色の企業が名を連ねている。社長にはANA出身で、旧エアアジア・ジャパン(現バニラ・エア)の社長を務めていた小田切義憲氏が就いた。本社は東京都港区に置く。
2015年夏から国内線を運航する。当面2機でスタートし、「15年中に4機体制とし、以後年間5機ずつ投入する」と小田切社長。将来は国際線にも進出する。登記上の本社は中部国際空港に置いており、就航当初は同空港を拠点に国内線のネットワークを張っていくとみられる。
ただ、「マーケットの大きさやインバウンド需要を考えると東京は外せない」(小田切社長)としており、羽田空港への就航に意欲を見せた。
会見にはエアアジアのトニー・フェルナンデスCEO(最高経営責任者)も出席、「第2幕が開いた。日本には大きなチャンスがあり、手頃な価格で消費者にアピールしたい」と語った。三木谷会長兼社長は「チケット販売や予約、機内のエンターテイメントなどITを活用できる可能性が無限にある」とも述べた。
撮影に応じるトニーCEO(左から5人目)、小田切社長(同4人目)、三木谷氏(同3人目)