ウポポイ、待望のオープン アイヌの歴史・文化の伝承と発信

  • 2020年7月22日

記念式典での古式舞踊の披露

記念式典に菅長官ら160人出席

 政府がアイヌ文化の復興拠点として北海道白老町に整備した「民族共生象徴空間(愛称・ウポポイ)」が12日、正式開業した。ゲート前でのオープニングセレモニーでは主催者のあいさつやウポポイのPRアンバサダーを務める俳優の宇梶剛士さん、AKB48の坂口渚沙さんらによるテープカットが行われた。その後、開園を待っていた観光客らが次々と入場。中核施設のアイヌ民族博物館や各施設を見て回り、体験交流ホールなどでの古式舞踊の鑑賞や工房での民芸品づくり体験など、アイヌ文化の世界を楽しんだ。

 11日には、ウポポイの開業を祝う記念式典が園内の野外ステージで盛大に開催された。政府を代表して菅義偉官房長官をはじめ、萩生田光一文部科学相、青木一彦国交副大臣らが出席。地元から鈴木直道北海道知事や北海道アイヌ協会の加藤忠前理事長、関係機関の代表者など約160人が参加した。

 菅官房長官は、式典の主催者として「アイヌ民族の名誉と尊厳を次世代に継承していくことが多様な価値観が共生する活力ある社会を作っていくために極めて重要だ。ウポポイは、アイヌ文化を復興・発展させていく拠点であり、政府としても魅力向上やPRに努めたい」とあいさつ。

 萩生田文科相、青木副大臣も、アイヌ文化に対する正しい理解を深め、多様な共生社会のあり方を考える場として、多くの人たちの来場を期待すると述べた。

 地元を代表して鈴木知事は、これまでの関係者の尽力に感謝を述べた上で、「ウポポイの開業により、アイヌの歴史や文化に対する理解を深めていただくとともに、本道の魅力を広く発信できるチャンスでもある。未来につながる宝としてオール北海道で大切に育て、世界にアピールしていきたい」と強調。アイヌ民族文化財団のメンバーによる古式舞踊「イヨマンテリムセ(クマの霊送りの踊り)」も披露され、開業へのムードを盛り上げた。

 ウポポイは、政府がアイヌ民族の歴史・文化に対する正しい理解を広げるナショナルセンターとして、2017年から白老町ポロト湖畔10・6ヘクタールの敷地に総工費約200億円をかけて整備した。中核施設の国立アイヌ民族博物館をはじめ、体験交流ホール、体験学習館、工房、伝統的コタン(集落)などで構成。アイヌ民族博物館は、北日本初の国立博物館で、1万点を超える貴重なアイヌ民族の文化資料を収蔵しており、六つのゾーンに分けて700点ほどの資料を常設展示するとともに、特別展も企画して入場者に公開する。

 円形の舞台と530席の客席がある体験交流ホールでは、アイヌ民族の古式舞踊や伝統音楽を上演し、体験学習館や工房などでは、さまざまな体験メニューを提供。特色ある体験交流型の施設として、ポロト湖の豊かな自然と併せ、教育旅行や若い世代にもアピールする。

 ただ、年間来場者数100万人を目標に掲げているが、当分はコロナ感染対策で密を避けるため、入場は事前予約制にして入場者数を制限する。入場者には、サーモグラフィによる検温、手指の消毒、マスクの着用を義務付け、接触の多い体験メニューも一部変更するなど、感染対策に徹底を期して運営することにしている。

 待望のウポポイの開業は、地元の活性化はもとより周辺観光地や北海道の魅力アップなど、北海道観光の充実につながると期待が大きい。

 当分は、コロナの感染状況を見ながらの取り組みになるが、地元白老町の戸田安彦町長や熊谷威二商工会長は「町の活性化への大きなチャンス。しっかり生かしたい」と強調。町内での取り組みも進んでいる。

 ウポポイに近い登別温泉や洞爺湖温泉でも、周遊観光や教育旅行の拡大になると期待。特に登別温泉では、新千歳空港からウポポイを経由するバス便を働きかけて実現するなど、ウポポイとの連携に力を入れている。

 また、全道の観光振興を担う北海道観光振興機構も、コロナの感染状況を見ながらだが、アイヌ民族の歴史や文化を学ぶ北海道を代表する体験観光の場として内外へのPRや誘客活動に注力し、地域観光の拡大につなげたいとしている。

オープニングセレモニーのテープカット

記念式典での古式舞踊の披露

あいさつする菅官房長官

 

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