インバウンド、過去最高2%増 3188万人


韓国減も、中国、欧米豪、東南ア15%増

 日本政府観光局(JNTO)が17日に発表した訪日外国人旅行者数の2019年の年間推計値は、前年比2.2%増の3188万2千人となった。航空路線の拡充やラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の開催などが好要因で過去最高を記録した。日韓関係の悪化に伴う韓国からの訪日旅行の減少で低い伸び率にとどまったが、政府の訪日旅行の重点市場では韓国を除く19カ国・地域が過去最高となり、韓国を除く訪日外国人旅行者数の前年比は11.2%増だった。

 19年の年間値について観光庁の田端浩長官は17日の専門紙会見で「韓国はマイナスだが、前年比で中国はプラス14.5%、東南アジアはプラス15.2%、欧米豪ではプラス13.9%と全体として堅調に伸ばした。訪日4千万人の目標達成には、各市場の動向をきめ細かく分析し、手を打っていく。東京オリンピック・パラリンピックで日本への関心が高まる大きなチャンスを捉え、全国のキーコンテンツ情報を世界中に発信する『Your Japan 2020キャンペーン』に取り組んでいく」と述べた。

 19年の市場別動向では、韓国が25.9%減の558万5千人となった。徴用工や輸出規制を巡る問題で7月以降、訪日旅行を控える動きが拡大、継続した。前年同月に対する減少率は7月が7.6%、8月が48.0%、9月が58.0%、10月が65.5%、11月が65.1%、12月が63.6%だった。

 最大の訪日市場、中国は14.5%増の959万4千人と1千万人に近付いてきた。1~12月全ての月で過去最高を更新。地方間の新規就航を含む航空路線の拡充、19年1月の個人査証(ビザ)の発給要件の緩和などが訪日需要を喚起した。

 東アジアでは、台湾が2.8%増の489万1千人、香港が3.8%増の229万1千人。台湾は、日本のゴールデンウイーク10連休に伴い4月や5月が前年同月を下回ったが、通年では前年の実績を上回った。香港は6月以降、現地で大規模デモが続いたが、航空路線の拡充などがプラス要因となった。

 欧米豪の重点市場9カ国(豪州、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、スペイン)の合計は13.9%増の413万1千人となった。ラグビーW杯の観戦需要で伸びが目立った英国は、27.0%増の42万4千人で、W杯開催期間中の9月は84.3%増、10月は85.6%増と大幅に増えた。

 米国は12.9%増の172万4千人で、桜シーズンの人気やクルーズ旅行の好調などに伴い全ての月で過去最高を記録した。カナダも13.5%増の37万5千人と好調だった。豪州は12.6%増の62万2千人で、ラグビーW杯の開催や航空路線の拡大が訪日需要を喚起した。

 東南アジア・インドの重点市場7カ国(タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド)の合計は、15.2%増の401万人となった。タイは16.5%増の131万9千人で旅行閑散期の6、7月を除く全ての月で過去最高を記録した。フィリピンは、相次ぐ新規就航など航空座席供給量の拡大で21.7%増の61万3千人。マレーシアは7.1%増の50万2千人と初めて50万人を超えた。

 19年の訪日外国人旅行者数を構成比で見ると、東アジア(中国、韓国、台湾、香港)は70.1%で前年に比べて3.3ポイント下降した。欧米豪(重点市場9カ国)は13.0%で1.4ポイント上昇、東南アジア・インド(重点市場7カ国)は12.6%で1.4ポイント上昇した。

 

 
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