アパホテル(東京都港区、所有直営全80軒、総客室数1万7771室)は1月28日、全国の独立系ホテルと提携し、「アパパートナーホテルズ」として組織化すると発表した。主に自社ホテルのない地域の独立系ホテルと提携。アパ公式サイトでの受付予約システムを開放する。会員数300万人のアパカード会員に対して付与しているポイントプログラムも共有する。
パートナーホテルズの第1号店として「サァラ稲毛海岸ホテル」(千葉市美浜区、全86室)と、第2号店に「ホテルステノ」(茨城県水戸市、全75室)とそれぞれ提携契約を締結。2月1日から運用を始めた。
アパホテルは2015年3月末までに4万室のホテルネットネットワーク構築を目指す。このうち1万室をパートナーホテルによる提携と今後海外で予定しているフランチャイズ展開で補う計画だ。
■解説
ルートインホテルズ、東横インと並び日本最大級のホテルチェーンを展開するアパホテルが直販強化に本格的に乗り出した背景には、じゃらんnetなど大手宿泊予約サイトが打ち出した手数料率の値上げがある。
現在、大手チェーンホテルを中心にじゃらんnetとの契約更改を保留している施設も多いが、圧倒的な集客力を誇るじゃらんnetとの契約を宿泊施設側から直ちに解除するのは現実的ではない。パートナーホテルズの組織化で、アパホテルは自社サイトの集客力とポイントプログラムの利便性を高め、直販体制を強化する。
アパの直販強化は、旅館・ホテル経営者の間で加速している心理的なじゃらん離れの一端を示すものとも言えそうだ。