
アジア首位のAT旅行先が目標
日本政府観光局(JNTO)は、観光庁と共に策定した訪日マーケティング戦略の柱の一つにアドベンチャートラベル(AT)を挙げている。北海道で9月に開催されるATの国際的なイベント、アドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)の機会を捉え、日本をATの適地として世界に発信し、地方誘客につなげたい考えだ。日本をアジアトップのATデスティネーションにする目標も掲げている。
国際的な団体、アドベンチャートラベル・トレード・アソシエーション(ATTA)によるATの定義は、アクティビティ、自然、異文化のうち二つ以上で構成される旅行。旅行者は欧米豪の富裕層が中心。ATTAによると、市場規模は約72兆円(17年時点)。
ATは旅行消費額が高く、地域の自然や文化を生かすことで地方誘客の拡大につながることから、JNTOと観光庁が策定した訪日マーケティング戦略では、市場横断的な誘客テーマとして、高付加価値旅行、大阪・関西万博と共に重視されている。
ATを通じた地方誘客について、JNTO市場横断プロモーション部の門脇啓太次長は「ATのアクティビティには、専門のガイドがつき、体験における安全性を確保しながら、自然や文化の背景を伝えていくようなことが求められる。そうした魅力的なコンテンツが地域の面的な取り組みで多く提供できれば、旅行者は長期にわたって滞在することになり、消費額も伸びる」と説明した。
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