アウンコンサルが中国セミナー、百度の代表が講演


 アウンコンサルティング(東京都千代田区、信太明社長)は21日、「中国マーケティングセミナー・高まる訪日ニーズと中国に効くマーケティングノウハウ」を都内で開いた。日本政府観光局(JNTO)中国チームリーダーの薬丸裕氏、中国本土の検索エンジンで73%のシェアを持つ「百度(バイドゥ)」の駐日首席代表、陳海騰氏らが講演した。

 今回は限定100人の無料セミナーに160人の応募があった。

 7月に中国で個人観光査証(ビザ)の受け付けが始まるのを前に、中国人インバウンドマーケットにビジネスチャンスを見いだそうとする企業のビジネスパーソンたちで会場は熱気に包まれていた。

 薬丸氏は「中国訪日旅行市場の動向と今後の日ビジネスチャンスについて」を講演した。その中で「中国からの訪日観光客は中長期的な成長が見込める重要なセグメント。限られた観光、流通関係者だけでなく、広く製造業も巻き込んだ需要喚起や誘客活動を展開していくことが必要」と話し、中国インバウンドの拡大が日本の国益にかなうことを示唆した。

 中国観光客の訪日動機については「1位がショッピングで50.9%、2位が温泉で39.7%、3位が歴史的建造物で25.7%」と紹介。単純合計で65.4%が観光目的であるとした。

 中国観光客のショッピングの1人当たり平均購入単価は11万6568円で、米国人訪日客の平均2万7300円、オーストラリア人訪日客の平均2万600円などと比べるて4〜5倍になっているというデータも紹介。ショッピング熱が高い中国人観光客は「(ツアー中に)買い物できる時間が少ない、足りない。欲しいブランドや商品を扱う店舗や売り場が分からない」などの不満を抱いており、対応策をとれば「売り損ねゼロと消費単価アップが期待できる」と説明した。

 陳氏は「検索から見る中国人観光客の日本の情報収集ルート考察」について講演。

 中国のインターネット利用者は現在2億9800万人に達したが、普及率は全人口の22.6%に過ぎないと指摘。中国人向けの情報発信で今後もインターネットの重要性が高まるとの認識を示した。

 日本の自治体の観光部門や旅館ホテルなどが公開している中国版のウェブサイトについては、「日本語サイトの直訳が多すぎる。中国人の感性にあった翻訳と言い回しにしなければ中国人は見ない」と問題点を挙げた。また「同じ漢字でも日本語と中国語では意味が違う場合があるので注意が必要だ。『娘』は中国語では母、『愛人』は妻を意味する」と話し、丁寧な翻訳と情報発信を勧めた。

 
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