訪日外国人旅行関連ビジネスの専門コンサルティング会社、やまとごころ(東京都新宿区、村山慶輔社長)は4日、インバウンド業界への就職希望者に採用企業側の声を直接伝える「インバウンドキャリアセミナー」を東京・渋谷で開き、約50人が参加した。インバウンド業界に特化した求人セミナーが開催されるのは初めて。
採用企業として、ドン・キホーテグループのジャパン・インバウンド・ソリューションズ社長の中村好明氏と、JTBグローバルマーケティング&トラベル人事課課長代理の小野彰弘氏が登壇。インバウンドビジネスの現況や求める人材像などについて、それぞれが語った。
中村氏は自身のビジネスについて「訪日外客数を増やすことが目的ではない。訪日中に支出してもらう金額をいかに拡大し、日本のインバウンドGDPに貢献できるかだ」と明言。「地元客だけを相手にするという日本人的発想を転換してほしい。地球規模で考え、社会全体の持続的発展に寄与し、観光立国の推進に貢献できる人材を求めている」などと話した。
小野氏は(1)JTBの起源が1912年に訪日外国人旅行手配を目的に国策で設立されたジャパン・ツーリスト・ビューローであること(2)1964年の東京五輪開催に合わせて日本初の外国人向けパッケージツアー「サンライズツアー」をJTBが始めたこと—などを説明。入社以来携わってきたインバウンド旅行ビジネスでの経験談なども披露した。
人材を募集している職種については、今年、全国(北海道、東北、中部、西日本、九州、沖縄)に開設した営業所での営業職や、東京本社でのウェブ担当、MICE営業担当、新規事業開発担当などとした。
インバウンド業界の現状を解説する村山氏(左)と中村氏