ふくしまDC開幕、誘客拡大で復興を推進


ふくしまDCのオープニングセレモニー(福島駅で)

ふくしまDCのオープニングセレモニー(福島駅で)

 福島県や県内の自治体、JRグループなどが連携して実施する大型観光キャンペーン「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」が1日、開幕した。福島県が誇る約3千の観光素材の中から、DCならではの36の「特別企画」を展開するほか、「花」「食」「温泉」などをテーマに多彩な魅力をアピールする。誘客を拡大し、東日本大震災からの復興を推し進める。期間は6月30日まで。

 福島県全域でのDCは2001年以来、14年ぶり4回目となる。

 開幕セレモニーは1日、福島駅で行われた。福島県観光復興委員会の会長を務める西堀雅雄・福島県知事が開幕を宣言。オープニングアトラクションとして「福が満開ふくしま隊」が演舞を披露した。

 セレモニーには内堀知事、深澤祐二JR東日本副社長、国土交通省東北運輸局の永松健次局長、日本観光振興協会(日観振)の見並陽一理事長をはじめ、福島県内の市町村長、観光事業者ら約400人が出席した。

 内堀知事は「ふくしまDCは、東日本大震災や原子力災害で傷ついた福島の観光が再生するための新しい歴史のスタートだ。観光を通じて、福島の本物の復興を成し遂げよう」と呼びかけた。

 JR東日本の深澤副社長は「4月25日にはフルーティアふくしま(イベント列車)の運行が始まる。各交通機関を利用し、県民挙げてのおもてなしを実感してもらいたい」とあいさつ。

 東北運輸局の永松局長は「観光振興は地方創生の重要な国の施策。観光の復興が東北の復興につながる。このDCが一過性のイベントで終わるのではなく、さらに福島県の観光が飛躍することを期待したい」。

 日観振の見並理事長は「福島の復興なくして、東北の復興はない。また、日本の観光立国の道も開かれない。福島DCの成功は新しい観光の道を切り開くフロンティアになると確信している」と述べた。

 震災前の2010年の福島県の観光客数は約5700万人だったのに対し、13年は約4800万人と震災前の水準には戻っていない。県内の観光関係者は、DCを風評被害の払拭、観光再生の好機と位置づけ、活発な誘客運動を展開している。

DC向け企画開発 情報の発信も強化
 ふくしまDCの主な特別企画は、いわき市の白水阿弥陀堂のライトアップ、相馬野馬追で知られる南相馬市のサムライコスチューム体験、伊達市の梁川八幡神社の約600年ぶりとなる御尊像御開扉、会津若松市の鶴ケ城天守閣再建50周年記念イベントなど。

 DCのテーマとした「花」では、桜、ツツジ、ヒメサユリなどの代表的なスポットの情報を発信。「食」では郷土料理や地酒のほか、ご当地バーガーやご当地麺などをアピール。「温泉」では、いわき湯本、土湯、飯坂、高湯など県内各地の温泉をPRしている。

 イベント列車「フルーティアふくしま」は、郡山—会津若松の区間を4月25日〜6月28日の土曜、休日に運転する。「走るカフェ」として福島の果物を使ったスイーツを車内で楽しむことができる。

 周遊に応じて旅行者にプレゼントなどを贈る大型周遊企画では、食や温泉をテーマに県内を巡る「福が満開、福の島。プレゼント&クーポンキャンペーン」、花の名所を巡る「キビタンフラワースタンプラリー」、宝探しイベント「コードF5」が展開されている。

ふくしまDCのオープニングセレモニー(福島駅で)
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