体調急変などでドライバーが運転困難になった場合のバス事故を防ごうと、はとバスは「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」を搭載した大型観光バスを導入、19日、はとバス本社(東京・平和島)で報道陣に公開した。
運転中の体調急変などでドライバーが運転を続けられなくなった際、ドライバー自身や同乗者(バスガイド、乗客)が車内の非常ブレーキスイッチを押すとバスを緊急停止させる。
同時に、走行中の他の車両や歩行者に対して異常を知らせるホーンを鳴らすとともに、ハザードランプとブレーキランプを点滅させ、車内の異常を知らせることができる。スイッチは運転席と客席最前列の上部にある。
EDSSは路肩などへ退避する機能はなく、後続車両が十分な車間距離をとっていないと追突する場合もある。
EDSS搭載のバスは5台導入し、22日から都内などを走行している。
国土交通省によると、ドライバーの健康状態の急変(くも膜下出血や心筋梗塞、心不全など)による事故件数は2016年度で304件、15年度と比べ40件増えている。
はとバスは本社内に「健康相談センター」を設置、ドライバーの定期健康診断の実施や面談指導などを行っている。
運転席にあるドライバー用の非常ブレーキスイッチ(左)