たばこの煙ない温泉地へ 有馬温泉旅組とフィリップモリスが包括協定


PMJの井上哲副社長(左)と有馬温泉観光協会の金井会長

 米フィリップモリス・インターナショナル(PMI)の日本法人、フィリップモリスジャパン(PMJ、シェリー・ゴー社長)と神戸市の有馬温泉旅館協同組合(當谷逸郎理事長)は11月26日、たばこの煙のない温泉地を実現するため、包括協定を結んだ。加熱式たばこ専用のエリアを設け、路上喫煙を防ぐ。温泉街での設置は全国で初めてという。

 加熱式たばこ専用エリアを設置したのは、温泉の中心地にある人気スポット「金の湯」と「銀の湯」近くの2カ所。金の湯側の専用エリア内には無料で利用できる足湯を設け、銀の湯側では壁に有馬温泉の歴史を紹介したデザインを配した。

 これに伴い、観光案内パンフレットをリニューアル。専用エリアが分かるようにし、同日から観光総合案内所で配布を始めた。

 有馬温泉には年間約155万人の観光客が訪れているが、紙巻きたばこの路上喫煙やポイ捨てが目立ち、喫煙対策が課題となっていた。また、木造の建物が多い温泉街では、火のついた紙巻きたばこによる火災の危険性も指摘されていた。

 消防庁が2019年3月に発表した「加熱式たばこ等の安全対策検討会報告書」では、「加熱式たばこが普及すれば、たばこ火災の低減に一定の効果がある」との認識を示した。

 こうした背景を踏まえ、有馬温泉旅組と有馬温泉観光協会はPMJのビジョンである「煙のない社会」に共感する形で、加熱式たばこ専用エリア新設に関する包括協定締結にこぎつけた。

 締結に関して、シェリー・ゴー社長は「有馬温泉が煙のない温泉地へと生まれ変わる一助になれて非常にうれしい。この取り組みが全国へ広がっていくことを願っている」、有馬温泉観光協会の金井啓修会長は「喫煙に関わる環境整備に乗り出すことで、幅広い層に楽しんでもらえる温泉地を目指していく。紙巻きたばこのポイ捨てなどによる火災リスクも低減され、安全で美しい街並みを今後も守っていく」とそれぞれコメントしている。

 煙のない社会の実現に向けた取り組みについては、今年4月、南紀白浜空港が空港ビル施設内での紙巻きたばこ全面禁煙を開始。同じころ、白川郷合掌づくり集落を有する岐阜県白川村がPMJと協定を結び、世界遺産エリアの加熱式たばこの使用環境を整備、火災リスクの少ない白川郷を目指すことを発表した。
     
PMJの井上哲副社長(左)と有馬温泉観光協会の金井会長

 
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