じゃらんnetの手数料改定、宿泊施設に不安広がる


 来年4月から適用される宿泊予約サイト「じゃらんnet」の新ポイントプログラム導入と手数料率引き上げに対し、各地の旅館・ホテルに不安が広がっている。運営会社のリクルート旅行カンパニーに対しては、国際観光旅館連盟近畿支部、箱根温泉旅館協同組合(神奈川県)が再検討や協議をそれぞれに申し入れた。今月16日には、国観連九州支部も改定内容の適用に猶予期間を求める要望書を出した。

 国観連九州支部(中原國男支部長)は、「システム利用料改定の実施猶予について」と題した要望書を提出した。リクルートと各宿泊施設が「市場拡大のためのビジネスパートナー」である点を強調した上で、宿泊施設の経営環境の厳しさを踏まえ、「各施設が経営の安定と活気を取り戻すまでの間、改定の実施を猶予」するように求めた。

 じゃらんnetの改定の内容は、ポイント付与分の負担方式を変更し、プラン料金の2%を宿泊施設に求める新ポイントプログラムの導入と、シングル利用のシステム利用料率(手数料率に相当)の2%引き上げ。同九州支部は「ほとんどの施設で負担増を招くことになり、厳しい経営環境の中、さらなる経営危機に直面することが明らか」と懸念した。

 じゃらんnetの改定を巡っては、旅館団体の地方支部、地域の旅館組合から相次ぎ不満の声が挙がった。国観連近畿支部(西村肇支部長)は先月25日、「明確な手数料率アップ」と指摘して改定の撤回を要望。箱根温泉旅館協同組合(榎本孝弘理事長)は今月5日、加盟施設向けの公開説明会を開くように要望した。

 箱根温泉旅館協同組合はポイント付与分を2%負担とする論拠の開示、負担を1%以下とする要望のほか、「移行期間に発生する新・旧ポイントプログラムの重複負担に何らかの救済措置」の必要性を指摘している。また、国観連近畿支部は、他の宿泊予約サイトなどが手数料率アップに追随することを危ぐしている。

 リクルート旅行カンパニーは、契約施設に対してはすでに個別に説明を実施した。団体などからの具体的な提案に対しても、その都度対応し説明を重ねていく考え。説明会の開催を要請した箱根温泉旅館協同組合に対しては、今月26日に箱根町で説明の機会を設けることにした。

「『じゃらんネット』システム利用料改定の実施猶予について(要請)」国観連九州支部(10年11月16日) >>PDFを見る
「『じゃらんnet』の手数料引き上げに関する説明会開催の申し入れ」箱根温泉旅館協同組合(10年11月16日) >>PDFを見る
「『じゃらんnet』の手数料引き上げに関するリクルート社への協議申し入れ」箱根温泉旅館協同組合(10年11月5日) >>PDFを見る
「じゃらんネットに対する実質手数料アップ撤回の要請」国観連近畿支部(10年10月25日) >>PDFを見る

 
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