国際観光旅館連盟近畿支部は1日までに、リクルートが運営する宿泊予約サイト「じゃらんnet」が交流型サイト「フェイスブック(FB)」に契約宿泊施設の“公式FBページ”を宿の承諾なしに作成した問題で、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会に排除措置命令を出すよう申し立てた。
公取委に提出した申告書では、「利用約款を根拠に、宿泊施設の同意なく、FB上に宿泊施設のFBページを作成し、宿泊施設自身のウェブサイトによる営業を困難にした」などと指摘。優越的地位の濫用、取引妨害などに当たる疑いがあるとして、必要な調査を求めている。
問題の発端は今年7月、じゃらんnetによる“公式FBページ”の作成と公開。宿泊業界は、旅館・ホテルの公式サイトであるかのように称して、じゃらんnetでの予約を誘発する仕組みではないのかなどと反発。国観連近畿支部をはじめとする契約宿泊施設の要請でページが削除された経緯がある。
宿泊施設とリクルートが締結しているじゃらんnetの利用約款には、リクルートが宿泊施設の情報を利用促進、情報提供の多元化などを目的として各種媒体に利用できることを定めた条項がある。申告書は、条項は依然として残っており、「同種行為が繰り返される危険性が高い」と排除措置命令を求めている。