【withコロナ時代の旅館経営への提言】単価アップ図る工夫を ジェイアール東日本企画 常務取締役営業本部長 高橋敦司氏

  • 2020年7月21日

高橋常務

 世の中にはさまざまなリスクがある。新型コロナウイルスもリスクではあるのだが、過剰に恐れるものではないと、世間は思い始めてきた。どこかへ行くこと自体が感染するリスクではないとの認識も、徐々に広がってきた。

 ただ、今までの考えが上書きされたわけではない。マスクをしないで外を歩けば白い目で見られるし、「こんなときに旅行なんて」と言う人がいる。

 人の心の中を変えるアクションを誰かがとらなければ、状況はなかなか変わらないだろう。

 観光業界の売り上げが9割減と、かつて見たこともない数字だ。業界は「大変だから何とかしてほしい」と、陳情を繰り返している。ただ、ほかの業界も含め今はみんな大変だ。エゴと見られて世間からバッシングを受ける可能性がある。

 今のモードを変えるには、しっかりとしたファクトの発信が必要。検査数や重症者数など、正しいデータを出すように、国や地方行政、報道機関に働き掛けることだ。旅行に行くか行かないか、判断するのはお客さまだが、モードを変えるトリガーになるはずだ。

 3密回避、ソーシャルディスタンスという言葉が人々の心に刺さっており、旅館は難しい対応を迫られている。3密回避といって、定員の半分しかお客さまを受け入れないのであれば、単価を倍にしなければならない。元来、旅行は「密」のものだ。密の状態をなくすよりも、密でも大丈夫な環境整備を行うことが現実的ではないか。既に議論をしているホテルがある。

 キャパシティを減らすのであれば、単価アップを図る工夫が必要だ。安全を大前提に、「楽しいね」「いいね」と言われるような、新たなサービスの要素を盛り込むことだ。楽しみ方の新たな提案があれば、今まで以上のお金を払ってもらえるはずだ。

 インバウンドは国同士の行き来が再開すれば、意外に早く回復するだろう。リアルなプロモーションができない今こそ、デジタルプロモーションに力を入れるべきだ。

 売り上げをいきなり100に戻すのは難しい。でも、人々は「温泉に入ってゆっくりしたい」「おいしいものを食べたい」という旅への基本的欲求がある。そういう人たちが遠からず来る。

 その日まで、政府のセーフティネットなどを活用して、細く長くでも生きる。そして腕を磨くことだ。

 明けない夜はないというが、明けた朝が今までと同じ夜明けかどうかは分からない。そこを想像しながら、今は準備をする。

 地域がなくなれば、私たちJRグループもなくなると、かねて申し上げている。地域の皆さまと私たちは一蓮托生(いちれんたくしょう)だ。一緒に頑張りましょう。


高橋常務

 
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