2017年夏が終わったので、今号では夏前に立てた予想と照らし合わせて振り返りを行いたいと思う。まず当初予想したように、8月11日から15日までを含めた期間が事実上のお盆休みとなり、高需要、高稼働であった。ただし、弱含みの可能性を示唆した8月15日が想定以上に低調であった地域が多かった。特に都心部では、そもそもビジネス需要も減少することから苦戦を強いられた。来年も同様の傾向が想定されるので、8月11~15日期間の売り方には今から留意しておきたい。
続いて、第2の注目点として挙げた8月16日(水)~19日(土)の期間であるが、こちらも想定どおり高需要となった。やはり、お盆期間よりは値ごろ感があったのか予約状況は好調であった。全国的に見ても8月11日から20日までは満室続きという施設が多かったように見受けられる。18年は8月16日が木曜日、17日が金曜日に当たることから、土曜日の18日までを含めて連休となりやすい日程となり、一層の高需要が想定される。
そして、注意ポイントとして挙げた夏休み前半であるが、こちらは想定以上に苦戦を強いられた施設が多かった。台風の影響も少なからずあったものの、その影響を差し引いても低調な印象であった。特に8月6日(日)~9日(水)は価格を下げたり、特別プランを販売したりと、対策に追われた。一例を挙げると、海辺の施設はこれまでは前半の方が良かったものの、やはり潮目が変わっており、お盆明けの方が高需要であった地域の方が多かった。
判断が難しいのが、8月21日(月)~26日(土)の後半である。低需要想定で対策を講じていたところが多かったが、蓋を開けてみたら意外と高稼働の地域、施設もあり、ここは地域ごと施設ごとで判断が分かれる期間となりそうである。いずれにせよ流動的な需要の予測を注意深く見つめて、対策を講じていくことが大事である。当初立てた仮説に対して、すぐに軌道修正をかけ、タイムリーな打ち手ができるのがWEBの大きな利点であるので、来年も仮説を立てて対策を講じつつも、柔軟に対応していくことを心掛けたい。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)