行楽シーズンも終わりを迎え「スキー需要」や「かに需要」などがある一部の地域を除いて閑散期になる地域が多いと思われる。そこで、今号では閑散期における地元のお客さま対策について述べたいと思う。
まずは、冬季閑散期の顧客分析が必要である。どの地域から、どれくらいの年代の人が、どのような目的でいらっしゃっているかまで分かると対策が立てやすい。
今号では、その中でも顧客分析をした結果、地元のお客さまの割合が大きいという施設を対象に話を進めていきたいと思う。
顧客分析の結果、地元客が多いと分かれば、WEBの戦術も見直す必要がある。オンシーズンは比較的、都市部のお客さまをターゲットに商品構成を組んでいるケースが多いと想定されるが、地元のお客さまを主たるターゲットとして、商品構成やWEBの見せ方、PRポイントも構築していく必要が出てくる。
端的に言えば、地元のお客さまが冬季に何を望まれており、何に喜ぶのかを調査して、対応することがポイントとなる。
一例を挙げると、ある施設では、観光は二の次で、温泉に入ってゆっくりしたいというニーズが多かったため、1泊3食付きのロングステイプランを販売した。また、別の施設では山の中の宿でもあるにも関わらず、冬季に北海道・日本海フェアを実施した。
それは、かにや海鮮の冬のグルメを食べたいが、遠方のため、そこまで出かけるのがおっくうだという地元のニーズをキャッチしたためである。
また、別の施設では、同級会や町内会の需要が多くあったため、集まりやすいように送迎バスを無料サービスで実施する施設もあった。
いずれの施設でも、商品を展開し、ホームページ上できちんとPRし、地元のお客さまへの集客に努めた。人気企画となったものはシリーズ化し、リピーターのお客さまを集めることにも成功している。
例に挙げたのは、ほんの一例であるので、閑散期に自らの施設にお越しくださる大事なお客さまの声に耳を傾けて、ヒントを得て、伸ばせると感じた部分はぜひ、実行してみてほしい。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)