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前号に引き続き「フォトジェニック」をテーマに述べたい。前号では、「料理とフォトジェニック」を例に挙げたが、他には館内においてもフォトジェニックな視点が用いられているか確認したい。端的に言えば「撮影スポット」が用意されているかということである。自施設内に思わず写真を撮りたくなるようなスポットを用意しておけば、お客さまはそこで写真を撮り、言わば勝手にSNSを介して知人、友人に情報配信をしてくれるのである。
一例で言うと、かつてどの観光地にもあったいわゆる顔出しパネルの現代版のようなものを制作し、それを写真映えのするスポットに配置しておき、「撮影スポット」のようにサインボードを設置している施設もある。あるいは改装の段階で敢えてそういった一見無駄にも思えるゾーンを館内に作っておき、現在の情報配信時代に備えている施設もある。
こうした取り組みはショッピングモールや雑貨店などでも取り入れられており、そのような場に行った際はフォトジェニックな視点でどんな取り組みをしているかを観察するのも勉強になるかと思う。
また、「観光とフォトジェニック」も当然ながら重要な要素である。直近で話題に挙がったのが、岐阜県関市の「モネの池」や千葉県君津市の「濃溝の滝」などである。SNSで拡散した写真が話題となり、マスメディアにも取り上げられ、観光地化する結果となった。
わが地域にも負けないくらいの素晴らしい景色や観光地があると感じたのであれば、ぜひその情報発信を実施いただきたい。それがマスメディアで取り上げて一大観光地化するまでには至らないとしても、その地域に行こうと思っている人には、とてもうれしい情報となり得るからである。
フォトジェニックな視点はSNSを駆使する若い世代を中心に、特に大事な視点となっており、検索においもInstagramを使う世代がいるくらいであるので、これからの時流の一つとしてとらえて取り組みを実施してみてほしい。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)