独自の強みを差別化、発揮する
今年に入り、多くの日系ホテルブランドが外資ブランドにリブランドするという発表が続いています。これまでラグジュアリーホテルがメインでしたが、その他のカテゴリーにも外資系ホテルオペレーターが侵攻してきており、日本のホテルオペレーターが危機を迎えていると感じています。
外資系ホテルチェーンは豊富な資本力や国際的なブランド力を持ち、優れたサービスを提供しています。しかもマリオットやヒルトンは全世界で1億人以上の会員数を保有し、その集客力を武器にしています。
日本のホテルチェーンがこの激変する日本のホテル事情に立ち向かうには何が必要なのか? それに対抗できる独自の強みは必ずあります。これをしっかりと差別化し、発揮することで、競争に勝ち抜くことができると確信しています。
第一に、日本のおもてなし文化は、世界に誇れるものです。私たちの「おもてなし」の心は、細部にわたる気配りと温かみのある接客に現れています。これは一朝一夕でまねできるものではなく、長い歴史と伝統に根ざしたものです。ミナシアも「アットホームなサービス」を心がけており、常にお客さまの立場に立ったサービスを提供しています。これこそが私たちの最大の強みで、他の国内ホテルチェーンにも負けないと思っています。
次に、日本ならではの風土と文化を生かした施設や体験の提供が挙げられます。地域の食の魅力を感じる食事、地元の工芸品やアートを取り入れた内装、季節ごとのイベントや祭りの紹介など、訪れるお客さまにその土地ならではの魅力を感じていただくことができます。これにより、ただ泊まるだけでなく、日本文化を体験する特別な時間を提供することができます。
さらに、地域社会との連携も重要な要素です。地元の観光資源を活用し、地域経済の活性化に寄与することで地域全体と共に成長していくことが可能です。地元の人々との温かい交流や、地域の歴史や文化に触れる機会を提供することで、単なる宿泊施設以上の価値を提供することができます。
ミナシアでは、日本の良さをより多くの方に知ってほしいという思いから、「おらが町プロジェクト」という形で情報発信、サービス提供をしています。日本ならではのおもてなしと、地域連携による食も含めた観光資源の発掘と情報発信など、これらの強みを最大限に生かし、外資系ホテルチェーンとの差別化を図ることで日本発のグローバルホテルオペレーターを目指しています。私たち一人一人が誇りを持ち、日本のおもてなしを世界に広めていきたいと思っています。
株式会社ミナシア代表取締役社長 下嶋一義氏