“一歩踏み込み”見える地元、地域
われわれは、訪日外国人観光客に向けたガイド付きオプショナルツアーを運営しています。その経験から、本日は、旅行のスタイルについて書いてみます。皆さんは、お好みの旅行スタイルってありますか？
旅行は、「“モノ消費”から“コト消費”へ」、と言われてきました。モノ消費は、よく爆買いとかいわれますが、ある場所に旅行して、買い物をして帰る、というスタイルです。コト消費でいうと、「体験」があります。着物体験、抹茶体験、○○作り体験、などでしょうか。そして、コロナ前後から、ゲストのファン化、コミュニティ化、が叫ばれるようになってきました。外国人のゲストを見ていると、「暮らすように旅をする」ことを望むゲストが多くいるのが分かります。もちろん、初来日の方は、物見遊山的に、その土地のハイライトをサラッと見たい！ という方が多いのは、どの国も変わらないでしょう。ただ、有名観光地だとしても、一歩踏み込んで、その背景にある意味を知りたい、地元の人が行く店に行って地元の人と話したいということは、われわれのゲストからはよく要望として聞きます。
私自身、1年間の世界一周の旅をしていた時に思っていたのは、「旅に余白を持ち、一歩内側に踏み込んでみること」でした。表通りではなく、あえて一本裏側の通りを歩くと、そこに暮らす人の姿が見えてきます。ガイドを付けて説明を聞いたり、地元の人と話すことも一歩内側に踏み込むためのきっかけとなります。
また、スケジュールを詰めすぎた旅は、偶然の入り込む余地がどんどん少なくなっていきます。偶然のきっかけがあっても、それを拡大する余裕がないという感じです。地元の人との偶然のきっかけをもとにした体験って、すごく心に残り、またあそこに行きたいなぁ、と思わせるきっかけになると思います。
われわれはガイドツアーを行っていますが、地域で暮らす人々と観光客の間に立つガイドは、これからとても大事な存在になっていくと信じております。スマートフォンに続いて、生成型ＡＩも出てきました。そういう時代こそ、地域に根差したガイドがゲストの要望に応じてファシリテーションしていくことが必要となるはずです。国が課題としている、旅行者への高付加価値化や地方部への誘客に対して、われわれはガイドというアプローチで日々まい進しております。“観光は人なり！”。横で連携して日本の観光をより盛り上げていければと思っておりますので、ピンと来た方はいつでもご連絡くださいね。
