【VOICE】コロナ禍の競争に勝ち残る 山田コンサルティンググループ 経営コンサルティング事業本部 シニアコンサルタント 武藤良輔氏

  • 2022年4月16日

武藤氏

鍵はマーケティング戦略

 新型コロナウイルス感染拡大から丸2年が経過して長期化する中、東欧における地政学的リスクの影響もあり、原材料、原油価格の高騰に伴うオペレーションコストの負担増が想定されるなど、2022年も宿泊業にとって引き続き厳しい事業環境に置かれている。

 昨年末を振り返ってみると、21年10~12月の累計延べ宿泊者数は対前年同期間を上回り(観光庁の宿泊旅行統計調査の速報値に基づく)、Go Toトラベル等の全国的な需要喚起策が行われなくても、宿泊需要が戻りつつあることが証明される結果となった。また、内閣府が発表している消費動向調査によると、上記と同時期における消費者態度指数はコロナ禍前の水準近くにまで回復してきており、消費者の心理状態は明るくなってきている様子が見て取れる。完全回復までは道半ばであるものの、自然体での宿泊需要および消費マインドの回復は、事業者にとってはポジティブな要素であるといえるだろう。現に弊社の支援先の宿泊施設においても、需要回復の波に先行して、RevPAR(運営のパフォーマンスを測る指標であり平均客室単価×客室稼働率で算出する)が、コロナ禍以前を上回ってきている施設も出てきている。

 この厳しい事業環境下においても、安定したパフォーマンスを発揮できている施設に共通している点がある。それはマーケティング戦略が明確なことである。言い換えると「誰に対して」「どのような商品を売るのか」が明確になっており、それをハード面はもちろんのことソフト面(提供するサービス、料理、備品・消耗品、人材など)まで含め、一貫性のある宿泊体験として表現ができている。また、その宿泊体験は、マーケットインの発想でターゲットとなる消費者のニーズをベースに設計・具体化することができている。

 ここで注意しないといけないことがある。それはターゲットとなる消費者について主観的に捉え、都合の良い解釈をしてしまうことである。そのような不本意な結果にならないためにはどうするべきか、ポイントは「サービス設計・具体化の際にターゲットとなる消費者と同世代のメンバーにも参加してもらう」ことだ。同世代のメンバーの意見や声に耳を傾けることがターゲットとなる消費者を理解することになり、結果的にターゲットに好まれるサービスの提供につながる。

 消費者のニーズや価値観が多様化している時代において、総花的に消費者へリーチするマーケティング戦略は経営効率の観点から好ましくない。ターゲットとなる消費者を設定し、深く理解した上で、適した宿泊体験を提供することが、ファンづくりにつながり、結果的に競争に勝ち抜く鍵となるだろう。

武藤氏

 
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