【VOICE】コロナ禍で変わる旅行業界 東京都旅行業協会会長・飛鳥観光代表取締役 村山吉三郎氏

  • 2022年7月11日

村山氏

これからの旅のスタイル

 新型コロナウイルスが発生し、3年が経過した。この間、コロナ禍で感染者数が増加し続け、現在もなかなか収まる兆しが見えない中、旅行のあり方に徐々に変化が見えてきた。コロナ禍前までは「温泉地に行って温泉に漬かり、おいしい夕食を食べて多少の観光をしながら自宅に戻る」パターンが主流だった。コロナ禍で外出規制が掛かり、「オンラインで旅先の風景が見られて、そして動画を見るに当たり地元の名物やおいしいものが先に自宅に送られてくる」「観光バスに乗り、(動画)ガイドの観光案内を聞きながら観光地を巡る。送られてきた名産品を参加者と一緒に食べながら旅行に行った気分になる」などスタイルが、コロナ禍で3密を避ける旅のスタイルとして一時的に人気を集めた。しかし、実際に温泉に漬かれない不満から、次第に人気が薄れてきた。旅の重要な要素の一つは、やはり「温泉に漬かり疲れを取る」こと。「実際に旅先に出向いて、自然や風景に触れること」が心を癒やす旅の原点ではと思う。

 私はかつて新潟県へ、中でも中越地震で大きな被害があった長岡市や山古志村と、蓬平温泉へ行った。地震の影響はあまり見えず、山奥の自然を感じながら歩を進めるにつれ人家も少なくなり、この先道もなくなるのではと感じたその瞬間、目の前に突然大きなホテルが。そこはあまり聞きなれない蓬平温泉・和泉旅館。山奥にしては素晴らしいホテルである。山奥深い緑と渓谷が織りなす景色は自然がたっぷり含まれ、心の洗濯ができる感じがする。人の気配も感じられず自然を満喫するには絶好の場所である。飲み水は全ておいしい地下水。人気の箱根や草津などはそれなりに楽しめる場所ではあるが、どこか造られた自然が多い。帰り際に見学した山古志村には、錦鯉の養殖場が点在する。山古志牛の角突きや棚田棚池も、最近徐々に人気を集めている名所だ。村自体も観光に力を入れ始めていて、長岡インターから40分ほどのところに位置する「やまこし復興交流館“おらたる”」の職員が案内をしてくれた。棚田の絶景スポットやあまり聞きなれない山花火棚田にはライトアップを施す計画もあるらしい。村の職員さんもたくさんの人を呼んで山古志村を全国的に有名にしたいのかも。自然と地元食材を使った夕食メニューなども重要な観光商品になり得る。

 このような旅のスタイルはこれから先も人気が出るはずだ。このような自然を堪能できる場所や温泉地は全国各地にあると思う。「山の中の温泉地」というだけでは客は呼べない。その途中の自然や地元で人気のスポットを探し出し、旅行案内に一つずつに加えると「必ず行ってみたい」という気持ちになる。お金が掛からない自然は最高だ。

 

 
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