【VOICE】オフシーズンの需要喚起 ベストツアー代表 山本文子

  • 2021年11月6日

山本氏

現場、実績に即した政策を

 ワクチン接種が進む現在、政府は県をまたぐ国内観光の再開、イベントの入場制限解除、飲食店での酒類の提供など、日常生活を段階的に取り戻しながら社会経済活動の活性化を目指す「ワクチン・検査パッケージ」よる緩和策を打ち出している。この緩和策は政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」でも 経済活動の再開を行う基準と仕組みが議論され、少なくても年内、早ければ11月中には稼働させたいとの見解が示されている。

 しかし、観光業界や受け入れ側の観光地(地域)にとっては、この一時的な緩和策の先にあるシナリオをしっかり整理することが肝要だ。150万人を超える感染者を出した第5波を上回る第6波が襲来すると予測する専門家も多く、大切なことはコロナの完全収束を前提にした観光復興を考えるのか、先行きが見えないコロナとの共存を前提にした観光復興なのかの選択に迫られる。当然、結論は後者となるであろう。

 この流れを機に業界ではGo Toトラベルキャンペーン再開に期待が寄せられているが、前回の反省から観光がコロナ感染拡大の根源であるとの誤った批判が噴出したことを考え、今回こそ業界は先取りし対策を独自に打ち出し先手を打ちたい。すなわち「ワクチン・検査パッケージ」には落とし穴があるということだ。ワクチン接種証明や、PCR検査の陰性証明を持参した方々であっても、自ら感染していないことや他の人に二次感染をさせないことを100%保証されるものではなく、さらには新たな変異株による「ブレークスルー感染」が発生することも容易に想定できる。ここで注視すべきは、政局も観光推進派であった菅政権から岸田政権に移行したが、新政権では観光による人流拡大に関して、従来より慎重姿勢に転じる、と筆者は予測している。

 ここで大切になることは、観光業界、各地方自治体、観光地ごとに先導的な対策を実施している事例を共有し、独自の感染対策を官民共同で作り上げる自助努力が求められる。すなわち観光業界も「長期戦を覚悟した受け入れ体制」を政府、自治体だけに頼ることなく、長引く感染下でお客さまに選ばれる企業、地域を独自に再構築する努力が必要になる。

 観光庁でもこのような自治体の取り組みを支援する仕組みとして、「誘客多角化事業」や「域内連携事業」などの、コロナ禍の観光地域振興支援事業も用意があるのでコロナ禍で長期間疲弊を続けている企業や観光地の新たな受け入れ体制づくりについて、大きなシナリオのもと、各々の役割分担を明確にし官民共同で新たな舞台に進めていきたい。

山本氏

 
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