【DMOの今とこれから 3】県内を3地域に分け、担当者を配置 やまなし観光推進機構(山梨県版DMO)


 やまなし観光推進機構の設立は2009年。社団法人山梨県観光物産連盟、大型観光キャンペーン推進協議会、山梨インバウンド観光推進機構の3組織を統合し、社団法人やまなし観光推進機構として発足。13年に公益社団法人に改組され、17年に観光庁の日本版DMOに認可された。山梨県庁内に事務所を構える。

 地域連携DMOとして、県内各地市町村や観光事業者と連携し、県内観光の振興を図っている。会員は約330団体。会員構成は、全ての市町村、全ての市町村観光協会、主要な観光協会、県旅館組合、主要な温泉旅館組合、主要なホテル旅館、県産品関連組合、JA・観光果実園協議会、観光物産運輸企業、銀行協会、信用組合協会、商工会議所・商工会、旅行会社などとなっている。

 同機構では、地域連携DMOとして県内各地市町村観光協会との連携をさらに強化するため、21年に組織改革を実施。県内を「甲府・峡東」「峡北・峡中・峡南」「富士北麓・東部」の3地域にエリアグループ分けして各市町村担当を配置した。

 観光物産情報の発信、旅行商品の造成、観光産業の支援、おもてなしの推進、フィルムコミッション、旅行会社へのプロモーション、アンテナショップの運営等を地域の視点に立ちながら行っている。

 観光物産情報の発信では、市町村観光協会と共に現地取材を実施して、「富士の国やまなし観光ネット」のウェブマガジンで毎月6本以上の特集記事を配信。観光&イベントガイド「ワイン県やまなし」の発行、山梨百名山登頂証明書の発行、やまなし立ち寄り百名湯入湯証明書の発行なども行っている。日本観光振興協会が2月に発表した。
「2021年都道府県公式観光情報サイトランキング」のPCからの閲覧者数で、山梨県の「富士の国やまなし観光ネット」は、大阪府「OSAKA―INFO」、三重県「観光三重」に次ぐ全国3位にランクインしている。

 同機構理事長の仲田道弘氏は、19年の「ワイン県」宣言の仕掛人。山梨県観光企画・ブランド推進課長、観光部長などを歴任し、30年以上にわたりワイン産業の振興に尽力してきた。ブドウ・ワイン史研究家として専門書籍も出版。山梨県立大学客員教授も務める。

 観光地域づくりへの支援として、仲田理事長が注力しているのが、市町村観光協会への同機構職員の研修派遣と連携事業だ。21年度は、富士河口湖町観光連盟、北杜市観光協会、甲府市観光協会、昇仙峡観光協会、石和温泉観光協会、身延町観光連盟に職員を約1カ月間派遣した。富士河口湖町との連携事業では、富士北麓地域のアクティビティを集約して若者向けサイトを作成。SNS等で情報発信した。

 甲府市との連携事業では、信玄公生誕500年を記念して甲府市内の名所や街並みをドローンで空撮。観光PRに使用し、資料としても保存した。「現場での共同作業を通じて各地域との連携を一層深めることができた。研修派遣・連携事業は未実施地域を対象に継続実施していく」(仲田理事長)。

 デジタル情報発信に偏重することなく、JR東日本と連携した各種観光キャンペーン、中日本高速道路のSA・PAでのリアルプロモーション、地域資源の発掘や掘り起こしを目的とした着地型旅行商品造成なども引き続き重視。5月31日には全国旅行業協会(ANTA)に協力する形で「第16回国内観光活性化フォーラムin山梨」を開いた。

 
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