【DMOの今とこれから 2】6つの指針と3つのM 箱根町観光協会(箱根DMO)

  • 2022年6月21日

 箱根DMOの設立は2018年4月1日。同12月に「地域DMO」に登録された。50年近い歴史を持つ箱根町観光協会と1989年に設立された財団法人箱根町観光公社を統合し、一般財団法人箱根町観光協会として発足した。

 2015年の箱根山(大涌谷)の火山活動の活発化をきっかけに、箱根町と箱根町観光協会で、観光と防災の観点から観光産業のあり方についての議論を活発化。箱根DMOのミッションを「『観光地そのものを経営する』視点のもと、官民一体ALL箱根の構造で箱根町の観光経済を拡大・発展させることを使命とする」と定めた。

 また、六つの指針として、(1)自らの強み・弱み、市場の変化を徹底的に調査、分析し、様々な有効な仮説・データを提供することで、箱根町の施政、事業者の事業の最大化を支援する(2)固有の歴史、文化、自然はもとより、地域それぞれの小さな魅力を結集させ、すべてを「箱根ブランド」として活用するべく、地域間を繋ぎ、積極的な発信を行う(3)顧客ニーズと地域ニーズのマッチングを徹底的に行い、我々の資源=顧客満足に繋がることを目指した施策を追求する(4)全ての事業で数値化等の目に見える目標・成果目標を設定し、徹底的に進捗(しんちょく)管理を行うことで、成果の最大化を図る(PDCAサイクル、KPI、KGI手法の活用)(5)世界中の人々が何度も来町したいと思える「場所」「コト」づくりを推し進め、競争力の高い国際観光地化を実現する(6)箱根町行政、住民、事業者、働く人、その他関わる人を箱根DMOの構成員ととらえ、観光地の成長を「共創」により実現していくことを目指す―を掲げた。

 特徴的なのはメンバー構成。職員に加えて、JTB、リクルート、楽天からの出向者で発足。現在は、小田急箱根ホールディングス、プリンスホテルからの出向者も在籍している。まさに官民一体の体制で観光地経営に取り組んでいる。

 会長兼理事長は、富士屋ホテル社長の勝俣伸氏。専務理事はリクルート出向者の佐藤守氏が務める。

 佐藤専務は箱根町の現状とDMOの役割について次のように話す。「箱根町は人口約1・1万人で、少子高齢化のトップランナーの一角。地方交付税不交付団体のため財政は6~7億円の赤字。過去5町村が合併した歴史、800メートルの地域標高差などから今までは地域間の合意形成が難しかった。加えて各地域観光協会は10団体ある。これらのマネジメント(合意形成)を基礎に、ALL箱根でマーケティング(数値)にもとづいた戦略立案、推進を行っている。箱根町受託事業、補助金、賛助会員費をベースに約2・5億円のP/Lを毎年運用している」。

 佐藤専務は、DMOが地域マネジメントの仕組みを構築する上での重要事項について(1)地域に沿った戦略を検討し、組織同士を超えたクロスセクターでの課題認識を持つこと(2)ALL地域の中での戦略推進を行う経営ボードをつくること(3)経営ボードに沿った事業推進ボード(プロジェクト)を設計し、PDCAを回しながら事業づくりを行うこと―と指摘。DMOに必要な三つのMとして(1)Marketing(2)Management(3)Monetize(収益)―を挙げる。

 
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