【高校教育旅行特集】“日本一の田舎”にし阿波・そらの郷(徳島県 美馬市・三好市・つるぎ町・東みよし町)


PBLプログラムでは、地元高校生とともに、フィールドワークなどを取り組む

持続可能な開発のための教育現場

 その昔、徳島県の都市部に住む人々は、標高の高い当地のことを「そら」と呼びました。そらの郷の夜空には、民家ボタルが星空と一つとなって力強く輝いています。

 そらの郷は、四国の中央に位置する「にし阿波~剣山・吉野川観光圏」(美馬市、三好市、つるぎ町、東みよし町)にあります。「大歩危・祖谷」や「吉野川」に代表される自然、歴史文化、伝説や伝承、さらに独特の食文化、伝統芸能に彩られた全国屈指の観光地域であるとともに、素朴で温かみのある古き良き暮らしが今もなお息づいています。

■学びを進化させる老舗「そらの郷山里物語」

 前身から25年目を数え、地域内約180軒、同時受け入れ人数約600人となる、そらの郷の教育旅行民泊家庭は、その多くが山腹の急傾斜地に張り付くように形成される集落に存在し独特の文化的景観を形成しています。自然と人々の暮らしが生んだ、山や畑やコエグロ、石積みや家屋など、これらが一体となった独特の風景こそが桃源郷とも称される日本の原風景です。生徒たちは家族の一員として迎えられ、茶摘(つ)みやタマネギ、ジャガイモの収穫など、サスティナブルな自給的農作業を協働します。収穫した新鮮な野菜や山菜を使って田舎料理を共同調理。そして家族団らんの食事で心の交流。“日本一の田舎”の厳しさを豊かさに変える暮らしが待っています。この体験型教育旅行「そらの郷山里物語」により、地域経済活性化に成功する当地は「地方創生の成功事例」と言われ、2016年、農林水産大臣から「食と農の景勝地」の認定。2018年には国連食糧農業機関(FAO)から、人類を救う重要な持続可能性を有する「傾斜地農耕システム」であるとして「世界農業遺産(GIAHS)」の認定。今年3月には、長年の体験教育での実績が認められ、第17回オーライ!ニッポン大賞、最上級の「内閣総理大臣賞」を受賞しました。

 そらの郷は昨今、国内初ESD(Education for Sustainable Development)の実践現場として、独自の実践体験型「PBL」(課題解決型学習)プログラムを開発し、本物の暮らしの中でプロジェクトを展開しています。事前学習・テーマ策定、民泊、フィールドワーク・WS、パネルディスカッション、事後学習。「正解の無い問いに挑戦する力」と「サステイナブルマインド」を身につけるアクティブラーニングの手法となります。未来社会「Society 5.0」で、AI、IoT、ロボットなどの革新技術を制御し、人らしく、グローバルに活躍できる人材を育成します。

 なお、すべての民泊家庭やインストラクターは、研修や安全衛生講習を受け、危機管理や安全対策に関する万全の体制を整えています。

■民泊阿波おどり体験

 集落のにぎわいとして、念仏踊、風流踊の阿波おどりが継承されてきました。厳しい農業疲れを吹き飛ばす芸能娯楽「民泊阿波おどり」。離村式では輪踊りで再開を誓い門出を祝います。

■吉野川ラフティング

 日本三大暴れ川、吉野川は世界クラスのラフティングコース。2017年、日本初の世界選手権を開催。荒々しく雄大な流れが山並みを深い渓谷で刻み、厳かで美しい景観を創り上げています。仲間とボートを操り、激流を乗り越え、五感で大自然と対峙(たいじ)します。

 

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一般社団法人そらの郷

sora@cn05.awaikeda.net


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