【食と観光 訪日客4000万人時代の和食 21】日仏両国の食文化の融合 先斗町楔川オーナーシェフ・井上晃男


 老舗料亭が軒を連ねる古の都・京都。歴史や文化遺産とともに育まれた食文化の街。海外からのゲストが数多く訪れる、まさにインバウンドの中心的存在であり、食レベルの高さにおいては、フランスの某有名な食のガイドブックの編集長曰く「世界のトップクラスである」。

 その理由は、世界各国、どのレストランでもレベルの高いお店はおいしくて当たり前だが、居酒屋、焼鳥屋、ラーメン屋など、いわゆる庶民的レベルの店になると、お国によっては?マークが付くところもある。

 でも日本はどこで食べても本当においしく食することができると評価されている。これは、京都のみならず、日本全体の食レベルの高さを称賛するものだ。

 わが家は、元お茶屋の純日本的な佇まいで、京料理を代表する会席のスタイルと、フランスの伝統を大切にするクラシックベースのフランス料理をコンセプトに、1981年、二つの国の食文化を融合させた「フランス会席」という新しいカテゴリーの店としてオープンした。

 和食器を用いて、お箸でお召し上がりいただき、仲居が和服でサービスするという、しつらえすべてが料亭の雰囲気を醸し出しつつ、唯一、器の中身だけが創作的ではないオーソドックスなフランス料理が盛り付けられたフランス会席。

 客席側はすべてジャパニーズ、調理場に1歩入るとそこはフランス。コントラストのはっきりした大変珍しい店だ。入り口のカウンターでは、ふらんす割烹「和心」として、アラカルトをお楽しみいただいている。

(国際観光日本レストラン協会理事 先斗町禊川オーナーシェフ、井上晃男)

 
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