【食と観光 訪日客4000万人時代の和食3】訪日客数数千万人時代 料理提供に疑問も 尾川欣司


 日本はバブル期を迎え、われわれの料理業界も大変な成長をさせていただいたのは事実だが、まだまだ世間一般には外国人のビジネスマン、観光客は数えられるほどの人数しか訪日していなかった。

 2001年から第1期小泉純一郎内閣がスタートした。首相自らが国会の場において「観光立国」という言葉を使った。当時、訪日客は600万人ぐらいだったと思う。しかし、日本から海外に出向かれる人は、すでに1700万人ぐらいいたと思う。

 訪日客もその間、愛知万博などで増加したものの、2011年の東日本大震災では、世界中の外国人が日本からいなくなるような現象が起き、2014年にやっと念願の1千万人を突破することができた。

 「観光立国論」からすでに約15年が経過していた。その頃から、観光庁では2020年の東京五輪・パラリンピック(オリパラ)時には2千万人の目標が、2016年の末日には、2400万人という初めての2千万人台が実現した。

 現在は2020年のオリパラ時には4千万人、2030年には6千万人という目標を掲げている。

 果たして今の2千万人から5千万人、6千万人という数字は想像もつかないが、十分な伝統と文化を兼ね備えた料理が提供できるのかどうかは大変疑問であり、今の私には判断がつかない。

 (国際観光日本レストラン協会会長・尾川欣司)

 
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