【道標 経営のヒント 329】心をつかむメールの極意 福島規子

  • 2022年5月19日

 ゼミ生指導の一環としてメールの添削を行っている。件名はもちろん宛名の書き方から、本文、署名の付け方まで「てにをは」の修正を含め細部に至るまで手を入れる。

 正直、会社では正しいメールの書き方などは懇切丁寧に教えてはくれない。入社すると、早々に先輩あるいは上司から「大卒なのだからメールの1本くらい書けるだろう」とアポ取りのメールを書け、訪問のお礼メールを書けと指示される。だが、入社3カ月の新人がいきなりクライアントの心をつかむような文章を紡ぐのは難しい。かといって、先輩諸氏は手取り足取りメールの書き方を指導するほど余裕はない。

 メール添削で最も驚いたのが、ほとんどの学生が相手の組織や所属名、肩書、氏名といった宛名を書かずにいきなり本文から書き始めたことである。学生いわく、「個人のメールアドレスに直接、送るのだから、会社名も部署や肩書も必要ないと思うんですけど」。絶句。宛名を書かずにメッセージをやり取りするLINEやツイッターの影響かもしれないが、同様のミスをする新入社員も少なくない。

 そこで、心をつかむメールの極意を三つほどまとめてみた。

 一、冒頭は感謝または謝罪の言葉から書き始めるべし。

 二、同じ言葉を繰り返し使うべからず。感謝の言葉は、複数の言い換えを身に付けるべし。

 三、本文の最後は、相手がニヤリとするか、ほっこりした気分になるような一言を書くべし。

 例えば、新入社員が上司や先輩にメールを送る際、つい「お疲れさまです」と書き出してしまいがちだが、最初の1行はねぎらいの言葉よりも「いつもご指導ありがとうございます」と感謝の気持ちを示した方が相手の心には響く。一方、謝罪文は先手必勝が鉄則。1行目からお詫びの一言を書くことで、真摯(しんし)な姿勢を伝えることができる。

 また、感謝の言葉は「ありがとうございます」を繰り返すだけでは能がない。心より御礼申し上げます、感謝申し上げます、有り難く存じますといった表現のほか、痛みいりますといった言い方もある。いずれにせよご縁をいただいたことへの感謝が文面の行間からにじみ出るような筆運びを心掛けたい。

 そして、最後は、書き手の人となりや情景が浮かび上がるような一言を書き留めたいところなのだが、これが案外、難しい。そこで、自分の心情をうまく表現できないときは季節のおいしいものについて書くのがおすすめだ。「大好物の初鰹(がつお)がおいしい季節になりました」「実家の母から届いた〇〇は、初物でしたので75日長生きできそうです」等々。ポイントは「好物の」「実家の母から」といった書き手の人物像やその背景が伝わる表現を添えるだけで、素っ気ない文面でもグッとリアルで、人間臭くなる。

 
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