【道標 経営のヒント 303】おもてなしもSDGs 宮坂 登

  • 2021年10月22日

 ある医療系の新興会社が発売を予定しているサプリメント製品の解説書をまとめていた。同型の製品が市場にも出回っているが、それらとは一線を画す製品であり、特に安全性においては唯一無二の品質と確信している。特許はすでに2種取得しており、30カ国における国際特許にもなっている。必ずや世の中に役立つであろう製品だけに、いかに詳しく分かりやすく伝えるかがポイントだが、さらに解説書の提出先が国と金融機関、そして投資ファンドであるため、それぞれに適したまとめ方が必要だった。

 腐心したのは製品情報だけでなく、企業の活動状況についても詳細に触れなければならなかったことである。特に投資ファンドからは、企業としてのSDGsへの取り組み状況が必要不可欠の要素で、そこに製品の有用性がリンクしていなければ解説書として成り立たないと事前に指針が示されていた。投資するか否かは、製品とその製品を販売する企業性にかかっているという観点である。これから企業活動をスタートする新興会社であるだけに、いざSDGsと言われても何を開発目標とすればいいのか、会社関係者と綿密に協議することを強いられた。

 ふと、旅館・ホテルのSDGsへの取り組みはどうなのかに思いが及び、調べてみた。あるホテルグループは、「地域の活性化・循環型社会の構築」というテーマに際して、地方への出店、木材の地産地消による森の活性化、世界農業遺産に認定されている地域との連携、グリーンツアーの実施など地域とのリレーションによる活性化のサポート、オーガニック製品を取り入れるなど地域にも人にも優しいサービスの追求、有機食材を積極的に取り入れるなど地産地消メニューにこだわった朝食の提供、バイオ生ゴミ処理機の導入による朝食ゴミの堆肥化やリサイクル食器の使用などを掲げている。特に宿空間には空気清浄や湿度調節、消臭や吸音効果がある天然ゴケをインテリアにする、あるいは客室には珪藻()土や個別式エアコン、リサイクルカーペットを導入するなど設計にもこだわっているようだ。宿泊時に発生させた二酸化炭素排出量の100%をカーボンオフセットする「ECO泊」なども行っている。明文化されている要素が多すぎて、社員は大変だと思うが…。

 公的に発表していないまでも、どの宿もそれぞれの観点でSDGsにも似た取り組みを行ってきているはずである。SDGsだからと何も特別なことに取り組む必要はない。旧知の宿の方々にもそれを伝えたい。おもてなし、それすらもSDGsなのだから。

 
 
 
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