【道標 経営のヒント 255】まだまだ全然足りない環境対策 タグ広告プランナー 宮坂 登

  • 2020年10月15日

 コロナ対策のマスクと同様、環境保全への取り組みもいつしか暮らしの中に根付き始めた。レジ袋排除のために買い物用バッグを持ち歩くことも。しかし、その取り組みもささやか過ぎるものだそうだ。

 生活の中では実に多くのマイクロプラスチックが発生しているという。例えば台所の水切りネットやスポンジ。食器を洗うスポンジは使うたびに少しずつすり減り、そのカスが海に流れてしまっているという。環境資源化学分野における都内の生活排水の調査では、1リットル当たり420個のマイクロプラスチックが見つかったという。

 合成繊維で作られた衣類でも同様だ。海外ではフリース1着を洗うと約2千個のマイクロプラスチックが発生するという研究結果も出ている。

 旅館・ホテルでコロナ対策に使用する不織布などにも合成繊維が含まれている。マイクロプラスチックは5ミリ以下の断片で海洋生態系に悪影響を及ぼす。日常、口にする魚からも当たり前のようにマイクロプラスチックが見つかっている。

 数年前、「5つ星の宿」のインタビュー記事で国際的な水中カメラマンの中村征夫氏に取材させていただいたが、「海洋環境を守るためには生活排水を流さないこと」とおっしゃっていた氏の言葉がフィードバックする。レジ袋等を使用しないから環境対策に役立っていると思っていても、徹底的に環境対策に取り組まなければ意味がない世の中なのだ。 

 同様のことが企業活動にもいえる。「当社はSDGsへの取り組みを始めている」と『偉そうに』アピールする企業も増えている。SDGsとは「持続可能な開発目標」の略で、2015年の国連サミットで採択されたもの。国連加盟193カ国が2016年から15年間で達成するための17項目にわたる目標だ。

 その中の一つに「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」という新たなエネルギーアクセスを確保するための目標がある。エネルギーといえば太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー。脱炭素など化石由来エネルギーに成り代わるためのテーマが掲げられているが、日本の社会基盤を支える鉄鋼業やセメント製造業は石炭なしでは成り立たない。石炭火力発電を輸出する日本政府の環境に対する姿勢も国際的に問題視されている。

 その中で、一企業が軽々しくSDGsに取り組んでいるなどと広言すべきではないと思う。足元を見ろと言いたい。今、環境保全レポートをまとめているが、その時間の中で感じたことをここに表した。

     
 
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