【道標 経営のヒント 248】3密対策の換気について 佐々山建築設計社長 佐々山 茂

  • 2020年8月27日

 3密のうち、「密集」「密接」は運営上の対応が可能ですが、換気の悪い「密閉」空間は技術的に解決する必要があります。気候の良い時期は窓を開けることで対応できますが、夏や冬には冷暖房負荷が上がり現実的ではありません。

 厚労省は1人当たりの適切な換気風量を1時間当たり30立方メートル/hとして、適切な人員密度で風量が確保できる空間は「換気の悪い密閉空間」に当たらないと示しています。

 ある部屋の1時間当たりの風量が分かれば、その数値を30立方メートル/hで割れば適正人員が算出できますが、現在設置してある換気扇に表示してある風量を足せば分かるというものでもありません。実際には直接風量を測定するしかありません。風量測定は設備業者であれば可能です。食事処は他人と同一空間で一定時間過ごすため、感染リスクが高いです。

 先週箱根の旅館で宴会場と和食レストランで排気風量と空調の風量測定をしました。熱線式風速計を持ち込み、吹き出し口、吸い込み口の風速を測り、それに吹き出し口、吸い込み口の面積を掛けて風量を算出しました。国際観光施設協会の会員企業の協力を得て空気の流れをコンピュータでシミュレーションして感染リスクを可視化しようとしています。飛沫が気流で拡散したり、空気だまりができたりするのが分かればと期待しています。

 換気とは部屋の空気を新鮮な空気と入れ替えることですが、実際の現場では給気口は埃などで有効開口が取れていなかったり、冬に冷気が入るのでふさいでいたり、排気ファンの清掃が不十分であったり、外壁の排気口が詰まっていたりして、吸排気システムの能力が十分に発揮されていないことが多いです。

 最初にしなければいけないことは現状の吸排気をメンテナンスして所定の風量を確保することだと思います。換気風量が不足している場合には市販の空気清浄機から高性能フィルタ(HEPAフィルタ)付きの機種を選び、汚染空気をろ過して汚染濃度を下げる方法も考えられます。

 第2波が心配される冬場には飛沫の水分が乾燥した飛沫核(マイクロ飛沫)にならないように加湿も必要になります。

 見えないウイルスにすぐにできる対策は何でしょうか。ウイルスが咳やくしゃみで飛散した場合、室内のホコリに付着し、ウイルスを含んだホコリを吸い込むことで感染することがあると言われています。クリーンルームのように、壁、床、天井の室内全てと換気設備、空調設備周りなどを一度徹底的に清掃してみましょう。

 
 
 
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