【道標 経営のヒント 182】第2期東京旅館ブランド構築・発信事業 行燈旅館館主 石井敏子


 今年も3月20日をもって第2期「東京旅館ブランド構築・発信事業」が終了した。今期は昨年12月初頭より、日本旅館協会東京都支部発信事業ホームページ(1)「TIMELESS RYOKAN in TOKYO」の改修(インフルエンサーによる記事の掲載など)(2)インスタグラムの開設と投稿(3)旅の体験サイト「ボヤジン」で3軒の旅館の宿泊プラス体験ツアーを販売―この三つを柱に広告配信を行った。

 日本旅館協会東京都支部加盟施設は現在50施設。その中でも英語のホームページを持っている施設を対象に、発信に必要な写真の撮影を順次行った。比較的に個人経営者のお宿はコンタクトをとり撮影日を決めるのもスムーズだったが、中規模施設となると撮影の許可をいただくのも電話では取りにくく、広告会社のスタッフが直接各施設を回り、ヒアリング、撮影日を決めるなどして最終的に約半分の26施設に落ち着いた。

 現在アクセス解析などの詳細は手元に届いてきていないが、広告会社の口頭での報告では、ホームページへのアクセスが1日1万件以上、“tokyoryokan”のアカウントで発信したインスタグラムを見てみると54投稿に対して2344人のフォロワー、1投稿に対しての「いいね」の数はフォロワーが増えることによって1日100から325まで上がってきた。この数字は他の企業のホームページ、インスタグラムと比較してもかなり良いと聞いている。
 
 私も毎日の投稿を楽しみに見ていたのだが、中でも各施設のオーナーの笑顔とともに載る施設の写真はどこか安心感を見るものに与えて、SNSの世界の中でもリアリティーが加わって、おのずと「いいね」の数も上がってくると思った。カメラマンの腕もさることながら、東京の観光を支えてくれているオーナーの皆さまの顔は本当に素敵だ。「今この時、まさにお出迎え」という感じが出ている。その意味でも、会員施設の皆さまの協力には本当に感謝している。

 さて、今月末、新年度の予算が決定して、第3期東京旅館ブランド構築・発信事業がスタートできるかが決まる。「石の上にも三年」のことわざがあるように、何事も3年続けなければ結果は出ない。私の中では今まさに終わったところだが、同時にまた新年度の構想がほぼ出来上がっている。始まればまた連日メールでのやり取りが行われ、大忙しとなるのだが、できればもう1年ぜひチャレンジしたい。その時は早めのスタートとともに最後の1年と思い、気分を切り替えて、自分なりにさらに楽しみを見つけ、毎日インターネットの世界で遊んでみたい。「発信し続けることが共感を呼び、成果につながると信じて」。

 
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