【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン408】失敗しないオペレーター選び 3 青木康弘


前回に引き続き、オペレーター選びに失敗しないためのポイントを紹介しよう。「最初に提案されていた話と違う」「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう気をつけたい。

4、相性の良いオペレーターを探す

皆さまが保有する旅館・ホテルの立地や業態、規模、オーナーとオペレーターの責任分担、リスクの許容度によって、適切なオペレーターは異なる。可能であれば実績豊富な大手オペレーターに依頼したいと考えるオーナーは多いが、受託案件は厳しく選別されるのが実態だ。

例えば、受託を検討するための基本条件として、(1)客室数100室以上(旅館ならば70室以上)(2)客室グレードが一定基準以上(オペレーターにより異なる)(3)著名観光地、もしくは都市部に所在し、観光客・ビジネス客の入り込みが期待できる(4)隣接する商圏に同オペレーターが運営する旅館・ホテルが所在する(食材や人材の融通がしやすいため)―ことなどが挙げられる。

この条件に当てはまらないと、すげなく断ってくるオペレーターは多い。前述の受託条件に当てはまらない場合は、支配人派遣やコンサルティングを代替案として提案されることもある。これでは運営者の担い手不足を根本解決できない。
大手オペレーターの条件に合わなければ、隣接する商圏で複数店舗を受託している中小オペレーターか、直営形態の旅館・ホテルに相談すると良いだろう。食材や人材の融通がしやすければ、立地が悪く客室数の少ない小規模旅館・ホテルであっても引き受けてくれる可能性がある。

ただし、正式な依頼をする前に、他の施設に試泊し運営能力をチェックしたり、財務状態について可能な範囲で開示を受けた方が良い。帝国データバンクなどの信用情報サービスで調べるという手もある。

中小オペレーターは玉石混交の世界であり、中には民泊代行の延長線上で受託物件を探している会社もある。長期の賃貸借契約を結んだものの途中でオペレーターが倒産したり、いい加減な運営で旅館・ホテルの価値を毀損させないよう注意することが大切だ。

 (山田ビジネスコンサルティング事業企画部部長)

 
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