【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 697】高付加価値経営への処方箋〈4〉 青木康弘


 前回に引き続き、高付加価値化を目指してリニューアル工事したものの、客室単価や稼働率の向上が見られない場合の原因と解決策を紹介したい。

 (4)改装したのに総消費単価が上がらない

 改装したにもかかわらず総消費単価が上がらないという悩みもよく聞く話だ。特に、外来客が利用可能なレストランやバーへの改装によって、館内消費を増やそうとしたものの、思った成果が得られなかったというケースが多い。このような問題が発生する原因はいくつかある。

 レストランの増収効果が得られない主な理由は、一般のレストランとの競争に直面しているからだ。宿泊施設に付帯する食事会場は、宿泊者向けに特化しており、宿泊施設としての魅力や評価を高めることで料飲売り上げを増やすことが可能だ。

 しかし、外客向けレストランは、地元の客や他の施設に宿泊した観光客がターゲットとなる。観光客の多い人気エリアでも、長年にわたり安定した営業を続けているのは一握りの店舗だけである。メインストリートから少し外れただけで、テナントの入れ替わりが激しい。外部企業が安易な考えで出店して数年で撤退に追い込まれるケースが少なくない。

ペイウォール会員向け記事です。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒