【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 689】宿泊料金の値上げ方法〈7〉 青木康弘


 前回に引き続き、円滑に値上げするための方法を紹介しよう。多くの旅館・ホテルで値上げが実施・検討されているが、人件費や水道光熱費、工事費をはじめとする多くの費用が宿泊料金の上昇を上回るペースで大幅に値上げされている。速やかに対策を講じなければ、赤字に転落するリスクもある。

 値上げに向けた取り組みを行おうと経営者が方針を決めても、実際に対応するスタッフが不足している場合、実行に移すことが難しい。実際に、多くの施設では求人活動や給与体系の見直しに時間が取られ、前向きな取り組みが滞っている。

 実際に、宿泊業界は新たな取り組みを行うための余裕が年々減っている。厚生労働省の調査によれば、2000年から2020年にかけて、「飲食・宿泊サービス業」の労働生産性は他業界と比べて低く、さらに低下傾向にある。労働生産性とは、労働力の投入に対して得られる付加価値の割合を意味し、この指標の低下は、新たな人材確保や効率化の取り組みへの余裕がなくなることを示している。

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