【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 626】新型コロナ対策の功罪5 青木康弘

  • 2022年9月4日

青木氏

 コロナ禍からの本格的な再生、回復を支援しようと、観光庁の「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」をはじめとしてさまざまな助成制度が現在進行している。皆さまの中でも取り組んでいる施設は多いだろう。このような制度はうまく活用すると施設にとって絶大な効果が期待できるが、無理に利用しようとすると逆効果になる。制度の趣旨と皆さまの会社の方針や経営状況を踏まえて賢く利用したい。

 悪影響として起こりやすいのが工事費の設定である。前述の補助金では旅館・ホテルの改修に対して、補助率2分の1(一定の条件を満たす場合は3分の2)、上限1億円という極めて有利な枠が設定されている。補助金を上限まで使うことを目的として無理な投資をすると後々苦労することになる。施設の規模や改修工事の狙いに応じて適正な工事費はいくらか、収支計画、返済計画から逆算して設定すると良いだろう。

 補助金の対象となる品目ばかりを導入するのも悪影響が大きい。本補助金では、可搬性のあるものや容易に取り外しできるものは対象外となっている。無理に対象とするために高価なビルトイン型の設備を導入したり、家具類を建物に固定しようとしたりするケースがあるが、逆にコスト高になりかねない。補助金対象外であっても安価な手段があれば、そちらを優先することをお勧めする。

 本補助金では、地域全体として作成する計画(地域計画)と各施設の改修計画との整合性が求められる。宿泊単価のアップや若い個人客の集客を地域の目標として設定した場合は、各施設の改修工事の目的も単価アップや若い個人客をターゲットとすることを盛り込むことが求められる。地域のすべての施設が共通の目標を持つことは望ましいことであるが、施設の構造やグレード、これまでの営業状況によって対応できないこともあるだろう。こういった場合には、地域計画に無理に合わせすぎないことをお勧めする。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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