【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 594】コロナ小康期の業績アップ法9 青木康弘

  • 2021年12月29日

青木氏

 前回に引き続き、コロナ小康期に業績アップに向けて取り組むべきことを紹介したい。感染者数の抑制が続くと、雇用調整助成金や補助金、融資制度が打ち切られることが想定される。そうなる前に業績の正常化を図りたい。

 9、金融機関の影響力拡大に注意する

 新型コロナ収束後は金融機関の影響力が高まっていくことが想定される。宿泊業の年間売り上げに対する借入金の割合は1・9倍まで急増している。新築のビジネスホテルならばともかく、築深で利益率の低い旅館・ホテルが完済するのは大変困難な水準である。金融機関は元本弁済の遅れや債務償還年数の長期化を理由に、これまで以上に経営への指導を強めてくるだろう。

 金融機関が旅館・ホテルの経営改善に関心を持ってくれるのは大変ありがたいことであるが、指導内容に従って正常化が目指せるほどアフターコロナにおける旅館経営は簡単なものではない。金融機関の意見は尊重しつつ、自社で取り組むべきことは、決意をもって大胆に進めていくことをお勧めする。

 金融機関から指導される内容として典型的なものは経費の削減、人員の削減、不採算部門の撤退、資産の売却等である。いわば引き算の発想であるが、これだけで黒字化するのは難しい。むしろ業績悪化を加速させてしまうリスクがある。

 旅館にとって経費や人材、設備投資は、お客さまに提供する商品サービスそのものであり、提供する内容がお客さまの期待値を下回ると買ってくださる価格(宿泊料金)が下がってしまうからだ。金融機関の指導に従って経費削減したら、さらに売り上げが落ちてしまったというのは、このような理由による。

 アフターコロナにおいて取り組む必要があるのは、ターゲット顧客や嗜好の変化に応じた商品サービスの見直しである。地域のマーケット環境から見て、どのような顧客像(ペルソナ)が今後拡大していくか見通しを立てて、大胆にサービスの内容や設備を見直していくことが望ましい。設備投資を伴うので5~10年のスパンで考えていくと良いだろう。金融機関の意見は尊重しつつ、将来を見据えて軸のブレない経営を目指したい。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
 
 
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