【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 575】事業再構築補助金の計画書3 青木康弘


青木氏

 前回に引き続き、第1回通常枠の採択率100%だった弊社の事業計画作成ノウハウを生かして、採択率の高い計画書を作るコツを紹介しよう。紹介する項目の順番に沿って作成すれば完成するのでぜひチャレンジしてほしい。

 5、事業再構築の具体的内容

 事業再構築補助金を活用してどのようなビジネスに取り組むのか、具体的な内容を記述しよう。事業内容は一つでなくても良い。レストランと物販事業、CEサイト事業を三つ同時に取り組む計画でも構わない。

 既存設備をリノベーション・解体除去する場合(新分野展開・業態転換を選択する場合)は、改装後の簡単な図面を作成して、施設がどのように変化するのか審査委員に分かりやすく示すと良いだろう。完成後のイメージが伝わりやすくなるよう、フリー画像素材や他館写真を掲載しても良い。独自のイメージパースまで用意する必要はない。

 採択実績から分析すると、宿泊業以外のビジネスに取り組む計画の方が評価されやすいと考えられる。例えば、日帰り客向けレストランやキャンプ場、マルシェ(生鮮食品を扱う小売店)、ラウンジを活用したシェアオフィス・コワーキングスペース等は評価されやすい。

 皆さまの施設の多くが本音として取り組みたいのは、露天風呂付き客室への改装だろうが、宿泊業の延長線上にある客室改装は評価されにくいので注意したい。どうしても客室改装に取り組みたいならば、新規事業に取り組むにあたって、客室整備が必要であるという理屈で計画に盛り込むと良い。

 6、応募申請する枠・事業再構築の類型

 応募申請する枠を明示しよう。通常枠で申し込むケースが多いが、他にも卒業枠、通常枠(中堅企業)、グローバルV字回復枠があるので検討して記述したい。事業再構築の類型は、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編に分類される。それぞれ適用要件があるので、類型を選択した上で、要件を満たすことを具体的に明示することをお勧めする。

 審査委員は、皆さまから提出された事業計画を詳細まで確認する時間的余裕はない。図表で整理して、一目で採点シートに丸をつけてもらえるよう分かりやすい資料作りを心がけることが、採択率アップのポイントとなる。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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