前回に引き続き、初めて取り組む方でも分かりやすいように補助金申請のコツを紹介したい。事業再構築補助金や観光庁の補助金をはじめとして、旅館・ホテル、観光事業者が申し込めるものが相次いで公表されている。助成額が数百万円から数千万円と高額なものが多いので、ぜひ獲得し、アフターコロナにおける業績改善のきっかけとしたい。
15、事業計画のアイデアをまとめるコツを身につける
事業再構築補助金に限らず、事業計画書の作成は骨の折れる作業だ。普段、文章や図表の作成を行う機会が少ない方はなおさら重荷に感じるだろう。事業計画の作成を担う認定支援機関の協力を得るのも良いが、事業計画は自社の目標を達成するためのものである。
他人任せにしすぎるのは良くない。他人が代筆した計画書は魂がこもっておらず、仮に採択されても実行力に乏しいものになる。少しでも自社でアイデアを考えまとめる習慣をつけたい。
アイデアを生みだす発想力を身につけるためには雑多な情報を常にインプットすることが大切だ。旅館・ホテル業界だけでなく、さまざまな業界のニュースやプレスリリースを積極的に収集しよう。
SNSで注目されている商品・サービスを参考にするのも良い。新規事業のアイデア収集に向いているのはPinterestやTwitterである。国内外の株式ニュースも参考になる。「業種別銘柄一覧」と検索すれば、好業績企業が取り組む旬の事業を知ることができる。雑多な情報を収集していく中で自社が取り組みたいことが見つかるだろう。興味が湧いたものはすぐにメモ書きに書き留めておきたい。
事業計画を作成するのに市場環境、競合環境に関する情報が欠かせないが、地方で資料収集するのは難しい。マーケットリサーチを効率的に行うツールはネット上でいくつか提供されているが、旅館・ホテルが利用するには高価である。安く済ませたいと言うことであれば、国会図書館の遠隔複写サービスを利用すると良い。
さまざまな業界の資料が低廉な料金でコピーできる。観光庁や日本政府観光局もネット上で有益な調査資料を公表している。こまめに情報収集してPCに保存しておけば、事業計画を作成するときに参考にできるだろう。
本紙読者向けに事業再構築補助金の資料作成に役立つテンプレートを提供している。
ご興味ある方は、メールで問い合わせてほしい(info@alfa-consulting.co.jp)。
(アルファコンサルティング代表取締役)