
青木氏
前回に引き続き、初めて取り組む方でも分かりやすいように補助金申請のコツを紹介したい。事業再構築補助金や観光庁の補助金をはじめとして、旅館・ホテル、観光事業者が申し込めるものが相次いで公表されている。助成額が数百万円から数千万円と高額なものが多いので、ぜひ獲得し、アフターコロナにおける業績改善のきっかけとしたい。
8、事業内容は第三者に理解しやすいものとする
補助金を活用して取り組む事業は、審査委員をはじめとする第三者が見て分かりやすいものが望ましい。少数の人しか知らないニッチ市場をターゲットとした計画では審査委員の共感を得にくいだろう。ニーズの存在を市場データで根拠づけできない商品・サービスも説得力に欠ける。
誰も取り組んだことのない斬新な事業をすること自体は否定されないが、補助金の採択率を高めたいならば、第三者にニーズの存在を説明しやすい市場をターゲットとすることをお勧めする。
9、経済波及効果が明示されている
審査項目に、経済波及効果や地域への貢献というキーワードが記載されていたら、計画書には地元住民の雇用や地元企業からの仕入れを積極的に行い、交流人口の増大につながることを記述しよう。例えば、次のような表現が良いだろう。
本事業においてサービススタッフを中心に20人を新規採用する計画である。また、地元業者優先で年間2千万円の仕入れを行う。年間来場者は県外客を中心に年間5万人を想定している。特に地域振興を目的とした補助金は、経済波及効果や地域への貢献が審査項目となりやすいので募集要項をよく確認しておきたい。
10、アフターコロナにおける消費者の嗜好変化が考慮されている
新型コロナ流行以降に採択された計画書において特徴的なテーマがニューノーマル(新しい生活様式)への対応である。一般的な感染防止対策だけでなく、新型コロナ流行をきっかけとした消費者の嗜好変化を踏まえた取り組みが評価されやすくなっていると言える。言い換えれば、これまでの集客、運営のやり方を前提とした計画書は共感を得られなくなっているということである。
弊社ホームページで、補助金採択率の高い事業計画書を作成するためのチェックリストをお配りしている。ご興味ある方はダウンロードしてほしい(https://alfa-consulting.co.jp/)。
(アルファコンサルティング代表取締役)